Tivoliと事業継続の切っても切れない関係
「競争力強化」「コスト削減」「グリーンIT」「クラウド」「Smarter Planet」。実はこれらは、IBM Tivoliブランドの年次カンファレンス「Pulse」が過去に扱ってきたテーマである。皆さんの中には、「運用管理ツールとクラウドってちょっと遠くないか?」と思われた方もいるかもしれない。もちろん、時流に合わせて製品を売り込むのはセールスの定石。ただし、Pulseについて言えば、一連のITトレンドを主題にしてきたことには理由がある。
どのようなテクノロジーであっても、実際に企業内で利用する場合にはさまざまなことを考える必要がある。それを使ってどんな目的を達成したいのか、どの程度のサービスレベルを担保する必要があるのか。既存のシステムとどのように連携させるのか。新しいシステムのあり方について理想像を語り、さまざまなテクノロジーの優劣を検討した後には、必ず実運用を考慮するフェーズが待ち受けている。
そこで、指針となるのがサービスマネジメントという考え方だ。情報システム部門の使命を、ITシステムを媒介としたサービスの提供と見立て、その品質を向上させるためにシステムの設計から構築、運用までのプロセスを管理する。そして、Tivoliブランドの使命とは、サービスマネジメントの取り組みを支援することに他ならない。あくまで運用管理ツールはサービスを安定的に提供するための一つの要素。Tivoliにとっては、実用段階に入ったITトレンドすべてが重要なテーマとなりうるというわけだ。
「欧米ではすっかり定着しているサービスマネジメントという考え方だが、国内ではまだまだ浸透しているとは言えない状況だ。ただ、実は皆さんが求めているものを突き詰めると、サービスマネジメントに行きつくことは非常に多い。イベントではサービスマネジメントという概念を押し出してはいないが、その時々のトレンド・関心事を通してその重要性に触れていただければ良いと考えている」(日本アイ・ビー・エム SW ブランド・マーケティング Marketing Manager 西倉誠氏)。
2011年10月6日(木)に開催されるPulse Japan 2011が今年のメインテーマとして掲げるのは、昨今、大きな話題となっている「事業継続」だ。3月11日に起こった東日本大震災は企業にも新たな課題意識を芽生えさせた。今回のような大災害が発生した場合に、いかにして社員や家族の安全を守り、地域社会で自社が担っている役割を全うし、ビジネスの被害を最小化させるか。それらを考える上でITが果たす役割は大きい。
今回のPulseでは、事業継続という観点から企業情報システムの強化に役立つテクノロジーの活用方法を紹介する。特に、震災後に注目が集まっているクラウドについては専用トラックを用意。総論から事例まで午後の時間をすべて使って幅広いセッションを展開する予定だ。クラウドを事業継続の手段として検討されている方々の参考となるだろう。
「イベントが開催される10月には状況も一段落しているだろう。BCPに対する一過性の関心は収まっているかもしれないと考えたが、事業継続を根本的に見直すというテーマは一朝一夕に片がつくものではない。『ビジネスを支える強いIT』という大きなテーマに本格的に取り組もうとされているお客様の一助となるようなイベントにしたい」(西倉氏)