高度なOSSスキルを持ったエンジニアがいま求められている
「オープンソースソフトウェア(OSS)の世界でもいま、技術スキルを証明したいというニーズが高まっています」
日本オラクル株式会社 オラクルユニバーシティ ビジネス推進部 シニアマネジャーの阿部憲三郎氏は、趣味や勉強、研究などの利用だけでなく、多くの企業がOSSをビジネス現場で活用するようになり、OSSに関する高度な技術を持つエンジニアの存在が重要になっていると言う。
OSSのなかでもMySQLは、インストールベースの多い製品の1つだ。とくにこれまでは、Web系システムのバックエンドで使われることが多かった。ベンチャー企業などが、率先してMySQLとその他OSS製品を組み合わせ、独自のサービスプラットホームを構築している例も多い。こういった組み合わせを採用する1つの理由は、初期のIT投資を抑えるためだ。
ところが、ビジネスが順調に拡大すると、MySQL+OSSで構築したシステムも、企業のビジネスにとって極めて重要となってくる。自社サービスの品質を高め顧客満足度を向上させるには、信頼性や安定性の確保が必須だ。そのためには、抑えてきたIT投資も増やし、より高性能で堅牢なシステム環境を構築することが求められる。つまり、そういった環境をMySQLを核に組み上げていかなければならないのだ。当然ながら、その際にはMySQLやその他OSSに精通した高度なスキルを持つエンジニアが必要となる。
「インターネットを利用したサービスを広く展開しているような企業では、OSSに関する高度なエンジニアを自社で抱えていることが、社会的責任にもなりつつあります。そしてそのことが、顧客への自社サービスの優位性アピールにもなるのです。」(阿部氏)
とはいえ、OSSを扱うスキルレベルを客観的に評価するのは難しい。つまり、我が社にはこんなに高度な技術者がいるので安心ですということが、アピールしにくいのだ。いくつかOSSの技術資格制度はあるが、十分に普及し世間から認知されているとは言いがたい。MySQLについては、資格試験制度はあるものの、これまでは英語での試験だけで、日本で受験する人は少なかったという。ところが、今後取得したい資格を訊ねたアンケート結果をみると、MySQLの資格がかなり上位にランクインした。つまり、ニーズはあるのに、対応する試験がなかったというわけだ。この状況を鑑みて、今回日本オラクルでは、試験の日本語化を行い、日本での技術者ニーズに応えることにしたのだ。