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データセンター事業者はIPv4アドレス枯渇をどう乗り越える!? さくらインターネットの場合


IPv4とIPv6の橋渡し - プロトコルトランスレーションサービス

 IPv4アドレスの枯渇により、今後は必然的にIPv4とIPv6という2つのネットワークが混在することになる。この2つはまったく別のプロトコルであり、互いに直接会話することはできない。双方でサービスを参照できるようにするには、橋渡し的な存在が必要になる。

IPv4とIPv6はまったく別のプロトコルであるため、そのままでは互いに接続できない
2 IPv4とIPv6はまったく別のプロトコルであるため、そのままでは互いに接続できない

 現在、A10ネットワークスなど一部のベンダは、IPv4とIPv6の両方に対応したデュアルスタックのネットワーク機器を提供しており、新規のサービスを立ち上げる場合にはデュアルスタック採用は非常に有効だと言える。だが既存のサーバ、つまりIPv4でしかサービスを提供していないサイトの場合、IPv6対応を行うにはかなりの手間やコストが伴う。そこでさくらインターネットは当面はIPv4とIPv6のデュアルスタック化を図らず、トランスレータを設置することで、IPv4とIPv6の間の到達性を暫定的に担保する方針だ。とくに重要となるのはIPv6ユーザがIPv4サービスを利用する際の到達性の確保になる。

 トランスレータはIPv4とIPv6のプロトコル変換を行う装置で、「NAT64方式」「TRT方式」「プロキシ方式」の3つが主な変換方式だ。

 NAT64方式は最近標準化されたもので以前はNAT-PTと呼ばれていた。高速処理が可能だが、IPヘッダの変換のみ、IPv4とIPv6を「強引に書き換える」(大久保氏)手法なので、かなりの無理が生じることになる。変換できないアプリケーションも多い。

 TRT(Transport Relay Translator)は比較的古くから存在する手法で、いったんTCPコネクションを終端し、パケットの再構成を行う。NAT64に較べて効率的な通信が可能になるが、本来のアクセス元(IPv6)を調べるにはアクセスログを参照して日時からつけ合わせるしかないなどの煩雑さも抱える。また、TCPを終端するため、トランスレート先のサーバがダウンした場合、コンテンツの中身まで確認する必要がある。

 プロキシ方式はHTTPやFTPなどアプリケーション層でプロトコルの中継を行う。他の2つに比較して実装は容易だが、アプリケーションの実装により動作がまちまちになるという欠点がある。

 なお、さくらインターネットのWebサイトは現在、TRT方式のトランスレータを利用してIPv6からのアクセスを可能にしている。

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バックボーンネットワークとサービスのIPv6対応は?

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五味明子(ゴミ アキコ)

IT系出版社で編集者としてキャリアを積んだのち、2011年からフリーランスライターとして活動中。フィールドワークはオープンソース、クラウドコンピューティング、データアナリティクスなどエンタープライズITが中心で海外カンファレンスの取材が多い。
Twitter(@g3akk)や自身のブログでITニュース...

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