Oracle OpenWorld 3日目のキーノートには、システムズ担当エグゼクティブ・バイスプレジデントのジョン・ファウラー氏が登壇、Oracleのハードウェア製品戦略について語った。
「性能向上は10の倍数で考えている」

Oracle OpenWorld 3日目のキーノートには、システムズ担当エグゼクティブ・バイスプレジデントのジョン・ファウラー氏が登壇、Oracleのハードウェア製品戦略について語った。
現状、Oracleにおいて新たな製品開発をする際には性能向上などすべて「10の倍数で考えている」とファウラー氏。何かを速くしようとする際には、数倍程度ではなく最初から数十倍速くするにはどうしたらいいかと考えるのだ。そういった中から生まれた1つの製品が、今回OOWで発表されたExalyticsであり、Big Data Applianceだということ。ファウラー氏によれば、これら製品は単独でも利用できるし、他のOracle製品と組み合わせて利用することでさらに高い価値を生む。
SPARC SuperClusterもまた、そういった考え方の中から生まれた製品だ。これには「Exadataのテクノロジーが応用されている」とのこと。ハードウェア構成的には、「SPARC版のExadata」と呼んでもおかしくないものに仕上がっている。その上でデータベース専用ではなく汎用的なもとして提供されており、SPARCとSolarisの環境を利用している既存ユーザーであれば、すぐにこのマシンに乗り換えられる互換性を確保している。

SuperClusterは当然ながら単独で完成された製品だが、これに既存ストレージを接続するといった汎用サーバー的な使い方も可能だ。さらに中身のソフトウェア構成にも柔軟性があり、Oracle Database 10gと11gを共存させるという使い方もできる。
このあたりは、同じEngineered Systemsの一員でありながら、構成が決まっているExaシリーズとは大きく異なるところだ。汎用とはいえ、Oracleのソフトウェア製品活用のために特化しているので、それらを利用すれば極めて高い性能が発揮できるのだとのことだ。
システムの処理を速くする方法についてファウラー氏は、「速くするためにプロセッサクロックを上げガリガリとやる方法もあるが、Exaシリーズはそういった"力任せ"のやり方をとらずに大きく性能向上させている。結果的には、この方法のほうがコストを上げない」。
CPU性能だけで何とかするのではなく、ハードウェア全体のバランスを取るのはもちろん、ソフトウェアも含めシステム全体で性能を上げるべきというのがOracleの主張だ。
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谷川 耕一(タニカワ コウイチ)
EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...
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