Linux-HAを利用した新しいソリューション
サードウェアではさらに、前述の図表2のような従来型のクラスタ構成だけでなく、昨今のサービス事情に合わせた新たな付加価値ソリューションも積極的に提案している。
ひとつには、今年の4月に発表した高速同期による冗長化のソリューションがある。ioDrive(Fusion-ioのSSD製品)で構築した高速ディスクIOシステムに、DRBDとinfiniband(高速I/Oバス)を組み合わせてクラスタ化し、可用性を提供するものだ。
ioDriveはパフォーマンスが高く、複雑なマスター・スレーブ構成のデータベースならば十分の1の規模にまで集約できる。ioDriveやinfinibandは従来の製品より高価だが、サーバー台数が削減できればメンテナンスやライセンス、さらに電力などさまざまな面でコストダウンにもなる。
さらにそのスピードのままDRBDとinfinibandによってデータを冗長化し、高速な高可用性データベースシステムを構築できるという。これはオンラインゲームやソーシャルゲーム、ストリーミングといった新しいWebサービスにも注目されており、実際に実装された事例もある。
DRBD+ioDrive+Infinibandによる高速同期による冗長化 (2011年04月26日)
もうひとつには、クラウドや仮想化基盤に対する付加価値ソリューションとして「仮想化クラスタ」がある。2台のサーバをDRBDを組み合わせてストレージサーバー化し、この上でXenやLVMといったハイパーバイザを動作させる。仮想マシンの動的なマイグレーションや、ストレージのサーバーを移動することもできる。
DRBD/Heartbeat/Pacemakerで作るKVM仮想化クラスタ
なお、クラウドに関しては、パブリッククラウドとプライベートのデータを同期させたいニーズにも、DRBD proxyで対応できる。