スマートフォンの情報共有活用事例
あるスーパーマーケットに商品を卸している企業では、小売店を回る営業マンがスマートフォンを常時持ち歩いている。自分の顧客からの要望、頼み事を何でも社内ツイッターに書き込んでいる。上司への報告というよりも、他の営業マンへの情報共有だ。「○○地区では、この商品が人気だ」「生野菜は不安だというお客さんが多く、代わりに○○が売れている」といった情報が瞬時に共有される。
すると他の営業マンはその情報を参照し、自分のルートのスーパーに提案する。提案されたスーパーは、自分たちでは思いつかなかった商品構成に喜んでくれることが多いようだ。結果として、卸している企業の売上も伸びるし、信頼を得ることもできる。もちろん、事例に基づいて提案しているのだから、顧客であるスーパーの売上げにも貢献できるわけだ。自社の売上げだけでなく、きちんと顧客に貢献しているところがポイントなのだ。
また、ある製薬会社ではMR(医療情報提供者)たちが、顧客である病院の情報を共有している。都内にある大学病院になると、同じ病院、同じ医師のもとに、同じ製薬会社から複数のMRが訪問することが少なくない。別の薬品を扱っているMRが訪問するわけだが、お互い外出が多いので社内で話す機会は極めて少ない。また、扱っている薬品が違うため、部署が違うということもあるため、お互いの情報を共有しづらかった。
そこで社内ツイッターを導入し、同じ病院の情報を共有し合うことで、医師に対して効果的な提案ができるようになり、また社内できちんと情報が共有されているということで格段に医師からの信頼度が高まったということが報告されている。
iPadのようなタブレット端末を導入する目的は、必ずしも「見せる」ことだけではない。情報を共有し、効果的な提案を策定し、顧客の信頼を得ることで「魅せる」サービスにしていくことが可能なのだ。
次回は最終回として、スマートフォン導入は全社員に適用するべきか、ということを考えてみたい。
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