仮想化ソフトウェア大手のヴイエムウェアは1月25日、都内でプレス向けの事業戦略説明会を開催した。同社の説明会では、ヴイエムウェアの代表取締役社長、三木泰雄氏が会見を行い、昨年度の業績を報告。昨年2011年度の年間売上は、前年比32%増の37億7千万ドル、第4四半期売上では前年同期比27%増の10億6千万ドルを達成したと語り、グローバルで堅調な業績であることを強調した。
また三木氏は、2011年の同社の事業総括として、ITを取り巻く市場が大きく変化してきたと述べ、企業のグローバル化、災害復旧への需要拡大、節電対策ニーズ、スマートフ ォンやタブレット端末などエンドユーザーデバイスの多様化などを挙げた。 同社ではこうした市場の変化に、クラウドインフラと管理のCloud Infra Suite、vCenter Operations、アプリケーションプラットフォームのCloud Foundry、vFabric Data Director、エンドユーザーコンピューティングのView5、Horizon App/Mobileなど、市場の変化や顧客のニーズに対応した仮想化関連ソリューションを数多く発表してきたと、三木氏は強調 した。
また今年2012年のユーザーの変化として、(1)仮想化によるサーバー統合など固定費削減の段階から、運用の効率化やサービスレベルの向上などビジネス競争力の強化への段 階への変化、(2)クラウド活用の進展と、より効率的なハイブリッドクラウドへのユーザー意識の変化、(3)それに伴い、市場もIT資産のクラウド移行がさらに加速し、SMBでの利用拡大、(4)スマートフォンやiPadといった、アクセスデバイスの多様化と利用の拡大、などの変化が起こると三木氏は予想している。
三木氏は、2011年は仮想化が当たり前に利用され、仮想化が主役になった一年。2012年は個々の顧客のニーズに最適なハイブリッド環境が構築される「Your Cloud 」元年にしていきたい、と三木氏は強調した。
同社の2012年度の注力エリアとして、クラウドデリバリの体制強化、エンドユーザーコンピューティングにおける多様化への対応と利便性の向上の強化、パートナーエコシステム強化による新規顧客への導入支援を挙げる。なお、日本市場における具体的なコミットメントとして、顧客向けにはテクニカルサポートの強化、コンサルティング・TAM(テク ニカルアカウントマネジャ)メニューの拡充、ユーザー会活動への活性化、SMBやサービスプロバイダ専任部門の設置などを推進していく。パートナー向けにはソリューションに特化したパートナーの育成、西日本地域での教育プログラム強化、チャンネルパートナー向け販売支援プログラムの充実、サービスプロバイダとの共同プロモーションなどを推進していくという。
同社では、こうした顧客とパートナーの両面から教育やサポート体制、販促支援を強化していくことで、より信頼されるクラウドパートナーを目指すとしている。