ビジネスを行っていくうえで、業務拡大は喜ばしいことです。しかし、そうしたビジネス要件の変化にあなたの会社のシステムは、はたして対応できるのでしょうか? 今回は、現在から将来を見据えたITインフラの設計・管理を行うために重要な、キャパシティ管理というプロセスについて解説します。
容量の閾値越えアラートが日常化する運用現場
これはX社の情報システム部で見かけたワンシーンです。何やらシステム管理者のAさんとBさんが話しています。




前例があるということで、運用監視ツールで検知したこのアラートは無視されましたが、その日に限ってディスク使用率がどんどん拡大し、わずか1時間後には使用率95%にまで達してしまいました。


幸いにして、同一ディスク上にあった過去のバックアップデータを削除することで、何とかシステム停止だけは免れることができました。翌日、この情報システム部では直ちに受注システム向けのストレージ設定を変更し、該当ディスクの容量を拡大することで問題の解決を図りました。
後で分かったことですが、この会社では前日に広告を大量出稿しており、その影響を受けて通常の1.5倍以上の注文が発生していたそうです。
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吉澤 準特(ヨシザワ ジュントク)
外資系コンサルティングファーム勤務。ビジネスからシステムまで幅広くコンサルティングを行う。専門分野はシステム運用改善をはじめとするインフラ領域だが、クライアントとの折衝経験も多く、ファシリテーションやコーチングにも造詣が深い。まぐまぐにてメールマガジン「IT業界の裏話」を発行中。著書に「最新会議運営...
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