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モバイルペイメントは離陸するか?国内市場の現状を先行企業に聞く


Android 2.3.3によるサポートがきっかけとなり、昨年国内でも大いに盛り上がりを見せていたNFC(Near Field Communication)。日米欧の通信キャリア、金融機関、クレジット会社等がスマートフォンによるモバイル決済システムの開発を進めている。盛り上がりから一年近く経過したが、街中でモバイルペイメントが利用できるシーンはまだ少ない。実際にNFCビジネスを手掛ける企業にインタビューを行った。

 Android 2.3.3によるサポートがきっかけとなり、昨年国内でも大いに盛り上がりを見せていたNFC(Near Field Communication)。日米欧の通信キャリア、金融機関、クレジット会社等がスマートフォンによるモバイル決済システムの開発を進めている。

 国内でも、金融機関として初めて、三井住友カード株式会社がNFCを利用した決済サービス、Visa payWaveおよびMasterCard PayPassを、2013年度前半を目処に始めることを発表した。矢野経済研究所の調査によれば、2011年度のNFC搭載スマートデバイスの出荷台数は2175万台。2012年度には3180万台の出荷予測となっている。

 数値だけを見れば急速な普及を期待されるNFCだが、実際のビジネスの現場ではどのように見ているのか?今回はNFCを中心とした決済サービスの実情について、国内でオンライン決済事業を展開するGMOペイメントゲートウェイ、海外決済市場を展開するペイパル、NFCを活用したトータルソリューションを提供する凸版印刷の三社に話をうかがった。

国内オンライン市場の現状

 まず、国内オンライン市場を推進するGMOペイメントゲートウェイ 企業価値創造企画室にお話をうかがった。 

―国内の決済市場のトレンド等についてお聞かせください。

 まず「モバイルペイメント」の定義の問題が根本にあります。当社のビジネスは非対面での決済処理を行うサービスです。スマートフォンでの対面と非対面の境界は、決済に使うスマートフォンが自分の物か、店舗側の物か、という一線です。

 その意味で、あくまで当社なりの理解ですが、巷で沸き立っていたPayPal Hereについては、店舗側のスマートフォンで決済されるわけですから、当社としては対面決済と認識しており直接競合するものではないと認識しております。市場規模は対面決済が巨大ですが、成長率では非対面決済が伸びると考えています。

 その前提の基にお答えさせていただくと、世界、特にEC先進国の米国、欧州、日本、アジアそれぞれ、市場規模や制度面で置かれている状況は異なりますが、確実にECは拡大し、決済手段としても対面・非対面ともにモバイルペイメントは今後主流として発展していくと認識しています。新たな技術、サービスによりEC市場が健全に成長することは当社にとって願わしいことです。 

―では、モバイルペイメントにフォーカスした時にどういった現状があるか。NFCやBlutooth4.0、Passbookなど新しいモバイルを中心とした決済手段は、既存の決済手段にどのように影響を与えていくと考えていますか? 

 当社事業の成長を何が牽引するのかという切り口で言えば、スマートフォンがEC化率引上げを加速させ、それに伴い、公共料金・税金など継続課金の非対面化も着実に進んでいくと考えています。それと並行して国内におけるEC市場の拡大に沿ったクレジットカードの利用率の上昇はまだまだ続くと考えています。

 そして、市場の拡大に伴い、決済手段はNFCやBlutooth4.0、Passbookなど、ますます多様化し、利便性と安全性の高いものが消費者に選択されていくと考えています。スマートフォン、タブレットPCなどの普及がO2Oを加速させ、それにNFC等が組み込まれた端末が普及することで、シームレスな消費行動が促進される状況を想定しています。既存のCAT端末から劇的なハードウェアのパラダイムシフトが起こることも想定しています。

 ただし、絶対的な安全性や正確性がないモバイル決済がいたずらに拡大することは、EC市場の拡大に水をさすことになると危惧しています。当社ではお客様の安全性を担保することが決済市場での当社の成長の鍵になると考えており、セキュリティ施策に年間約5億円の投資を継続しています。

―これからの国内決済市場をGMOペイメントゲートウェイとしてはどのように推進・リードしていくのでしょうか?

 当社の現在のモバイルペイメントに関する取り組みとしてはキャリア決済が主軸です。「PGマルチペイメントサービス」を「auかんたん決済」、「ドコモ ケータイ払い」としてau、ドコモにてすでにサービスを開始しており、今後ソフトバンク向けも予定しています。

 業界全体への働きかけとして、2012年8月1日に当社を含め業界企業6社で「EC決済協議会」を設立しました。当業界の社会的な責任が市場拡大に伴い増していくことへの対応のひとつです。

 当社は非対面市場における決済処理の重要なインフラを担っています。インフラ構築には時間がかかるので、5年先10年先を見据え行動していきます。NFC、スマートフォン決済等のO2O用途の領域にも着実に準備を進めております。

 具体的な企業名はいえませんが、実は新たな決済手段の展開を目論む企業様の裏方を当社が請け負っています。海外で急拡大しているサービスでも、国内に持ち込むには様々な障壁・障害があります。決済という領域で、共に、EC化率向上とともに利便性、効率性を高め、社会貢献を果たそうとするベンチャー企業様は、ぜひ当社に相談していただければと思います。

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国内NFC市場の現状

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この記事の著者

大元 隆志(おおもと たかし)

ITビジネスアナリスト/顧客視点アドバイザー 通信事業者のインフラ設計、提案、企画を12年経験。異なるレイヤーの経験を活かし、 技術者、経営層、顧客の3つの包括的な視点で経営とITを融合するITビジネスアナリスト。業界動向、競合分析を得意とする。講談社 現代ビジネス、翔泳社EnterpriseZine、ITmediaマーケティング等IT系メディアで多くの記事を執筆。所有資格:米国PMI認定 PMP、MCPC認定シニアモバイルシステムコンサル...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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