仮想化におけるサポートやライセンスはこう考えよう
仮想化技術に関してはヴイエムウェア株式会社 システムズエンジニアリング本部 本部長 巨勢 泰宏氏が登壇した。これまでも述べられているように、仮想化環境は今後サーバー台数やワークロード的に見て多数を占めていくことが予想されており、「今が転換期」だと巨勢氏は述べる。VMware 認定技術者プログラム (VCP)は2013年1月現在、世界で12万5000人、日本では8500人を超えたという。
VMwareソリューションを導入するうえで、多くが戸惑うのがサポートやライセンス。例えばオラクル社の「MyOracleSupport Note 249212.1」によると、オラクルはVMwareをサポートすると明言している。
加えて巨勢氏は「事実、過去3年間、vSphereのバグが原因でOracleで問題が発生したことはありません」と述べた。マイクロソフト製品(Exchange、SharePoint、SQL Server)だと、MS Server Virtualization Validation Program、MS Premiere Contract、その他サーバーOEMベンダー経由と3形態でサポートが受けられる。
ライセンスに関しては「仮想化するとかえって高くなる」と懸念する声もあるが、これも課金のルールをよく理解すればそう高くなることはないという。例えばオラクルだと物理サーバーの全プロセッサがライセンスカウントの対象となるため、1ホスト分のライセンスを買えばそのホスト上でOracleを稼働させた仮想マシンは「乗せ放題」だという(参考:オラクルの仮想化環境のライセンスについて)。
繰り返しになるが、ビジネスクリティカルなアプリケーションを仮想化するメリットには柔軟性の向上(必要に応じてスケールする)、高可用性の適用が容易、災害対策などが挙げられる。具体的には仮想化プラットフォームとなるvSphere、実行中の仮想マシン全体を移行するvMotion、災害対策のためのSite Recovery Manager(SRM)がある。SRMは事前定義したリカバリ・プランを自動実行するため、最小限の手順で実行される。
巨勢氏も将来のデータセンターやビジネスクリティカルアプリケーションの姿として「Software-Defined Data Center」を挙げ、「ビジネスに柔軟性と俊敏性を強化することができる」と結んだ。