「日立のデータベース」という、また何ともマニアックなネタを性懲りもなく取り上げ続けている本連載も、数えること、5回目。「そろそろネタ切れじゃんじゃないの?」という読者の意地悪な突っ込みが聞こえてきそうだが、ところがどっこい、まだほんの序の口なんですよ、はい。ネタは山ほどありますから、覚悟してついてきてくださいね。ただね、筆者も最近ちょっとデータベースネタには食傷気味なので、今回はちょっと趣向を変えて、日立の冷蔵庫を紹介してみたいなと。日立の冷蔵庫、いいんですよ。食材は長持ちするし、省エネ設計だし……冗談です。今回もデータベースのお話です。
ただ、これまでの連載とはちょっと趣きを変えて、日立の方にこちらからあえて疑問をぶつけてみようかと。その疑問とは、「日立って、リレーショナルデータベース製品を2つ出しているけど、何がどう違うの?」というもの。日立製のリレーショナルデータベースと言えば、真っ先に思い浮かぶのが、知る人ぞ知るしぶーいロングセラー製品「HiRDB」。これに関しては既にご存じの方も多いだろうし、本連載でもこれまで何度か紹介してきた。
でもって、もう1つの製品というのが、2012年6月に新登場した「Hitachi Advanced Data Binder*1(HADB)」。何でも、東大の研究成果を日立で製品化した超ハイパフォーマンスなリレーショナルデータベースエンジンとのことで、本連載の第3回でもちょっとだけ詳しく紹介している。
*1内閣府の最先端研究開発支援プログラム「超巨大データベース時代に向けた最高速データベースエンジンの開発と当該エンジンを核とする戦略的社会サービスの実証・評価」(中心研究者:喜連川 東大教授/国立情報学研究所所長)の成果を利用
「HiRDB」と「HADB」って名前も似てるし何が違うの?
じゃあ、これからは日立はHADB推しで、HiRDBは徐々に表舞台から消えていくのか。さようならHiRDB、僕たちは決して君のことを忘れないよ……。
「違います!」

おっと! ここで登場したのが、本連載の第1回で日立のデータベースの歴史について熱弁をふるってくれた、ソフトウェア本部 DB設計部の石川太一さん。相変わらずの、熱気あふれるマシンガントークぶりだ。
「HiRDBは基幹系システムのためのデータベースで、可用性が絶対なんですけど、それに対してHADBがターゲットにしている情報系の要件はまったく異なるのでパフォーマンスがデータウェアハウスであれがこうで何たらで○☆&□×*@$……」
ちょ、ちょっと待って、そんないっぺんに言われても消化できないよ……ただどうも、よーく話を聞いてみると、HiRDBとHADBの違いを理解するには、「基幹系システムのためのデータベース」と「情報系システムのためのデータベース」の違いを、まずはちゃんと理解する必要があるということらしい。何だか、日立のデータベースの話というよりは、情報システムの基礎知識のおさらいみたいなことになりそうだぞ。
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吉村 哲樹(ヨシムラ テツキ)
早稲田大学政治経済学部卒業後、メーカー系システムインテグレーターにてソフトウェア開発に従事。その後、外資系ソフトウェアベンダーでコンサルタント、IT系Webメディアで編集者を務めた後、現在はフリーライターとして活動中。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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