「モノ」から「サービス」の移行のポイントと「ビッグデータ活用」
国内家電メーカーは薄型テレビなどでスペックを追求したことで苦戦し、一方でAppleやGoogleは、ユーザエクスペリエンスを追求することでサービス売上を急拡大したように、“ハコモノを売るだけでは生き残れない”ということは、既に議論の余地がないことかと思います。
ハイテク産業のイノベーションに繋がる、「モノ」から「サービス」に移行するための条件として、いくつかポイントがあるように思われます。
1:ハードを必ずしも必要としない
ハードを売るためにハードのスペックを追求するという発想ではなく、顧客にとっての価値を追求する。
2:ストック売上が期待できる
SIビジネスのように一過性の売上ではなく、価値を放ち続けることで継続的に売上が得られる。
3:単純な業務代行ではなく、付加価値が高い
運用保守といった単純なリソースの補填ではなく、顧客の経営・業務にインパクトを与える。
4:顧客のコスト削減だけではなく、売上拡大に貢献できる"攻め"のサービスである
これまでITの活用によりあらゆる業務を効率化させてきましたが、これからは新規事業、競争力強化などに寄与できる”攻め”のサービスを提供する。
これらの条件を満たす代表例として、今回はビッグデータについて取り上げたいと思います。
ビッグデータの“ビッグ”とは、一般的には3V(Volume:量、Variety:種類、Velocity:頻度)の大きさを意味しますが、噛み砕くと、企業活動(R&D、調達、生産、物流、マーケティング・営業など)や世の中の動き(気象、交通など)より発生した膨大なローデータを「必要なモノだけ、必要なカタチで集約」し、傾向やパターンを分析することで経営・業務にインパクトを与える打ち手を導くことです。