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kintoneの「おすすめグラフ機能」の裏に「サイエンティスト」の活躍あり


サイボウズ・ラボの西尾泰和氏は、24歳で博士号を取得、その後は東京大学大学院 新領域創成科学研究科 特別研究員を経て、2007年にサイボウズ・ラボの一員となる。彼が学生の時代には、ビッグデータなんて言葉はまだなかった。しかし、まさにゲノムという大規模データを分析し、そこから新たな価値を見出す研究。そういう意味では、ビッグデータ活用の経験を持つ研究者だ。

長期的な視点で研究開発を進めるのがラボの仕事

kintoneのグラフ機能の改善を行った、サイボウズ・ラボの西尾氏
kintoneのグラフ機能の改善を行った
サイボウズ・ラボの西尾氏

 「大学院では、バイオインフォマティックス分野の研究をしていました。コンピュータを使って、ゲノム分析などを行っていました」

 そんな西尾氏、自分のコアコンピテンシーはプログラミングだと言う。昔からコンピュータグラフィックスで絵を描くなど、人がそれを見て「おー、すごい」と思ってくれるものを作るのが楽しかった。そんな彼が、縁あってサイボウズ・ラボと出会う。「サイボウズはR&Dも自分たちでやる。さらには、コミュニケーションを支援する会社というところに、魅力を感じました」とのこと。

 サイボウズ・ラボは、本社であるサイボウズの要求に基づいた研究開発を行っている組織ではない。「より長期的なことを考えようというのがラボの仕事」だという。研究員それぞれがテーマを決め、それに基づいた研究を行う。結果的には、製品化とは直接関係ない研究開発がほとんどだ。

 ラボで働く西尾氏が、出会ったのがkintoneだった。誰もが、簡単にデータベースを利用できるようにしたクラウドデータベース。たしかに今までのデータベース製品とは異なり、直感的に使える。しかし、グラフの機能のところだけは、あまり簡単とは言えなかった。

 「旧いバージョンのグラフ機能は、設定すべき項目も多く、何をどうしたらいいのか分かりにくいものでした」(西尾氏)

 このkintoneのグラフ作成機能に触れ、ユーザーがグラフを作るということに対し、よりインテリジェンスに賢くやりたいという気持ちが生まれる。そこから、西尾氏はkintoneのグラフ機能の改善に着手する。

 まずはユーザーにとって使いやすくする、そこから徐々に進化させていくことを考えた。「こういうものがあるべきだ論では、製品化ではなかなかうまくいきません。製品の機能を実現するのは、一筋縄ではいかないのです」と西尾氏。これまで研究開発をしてきて、自分の考えたことを製品化までもっていくの簡単ではないことを彼は十分に分かっていたのだ。

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おすすめグラフ機能の裏ではさまざまな工夫が行われていた

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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