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ビジネスモデルの仮説精度を高める「6つの外部要因」による複数シナリオ検証

(第17回) 

今回から、ビジネス計画の論理的な構造を表す「モチベーションモデル」の主要な要素について、ご説明していくことにしましょう。まずは、皆さんのビジネスに何らかのインパクトを与える可能性のある「影響要因」からスタートしていきましょう。過去の連載は、こちらから。

モチベーションモデルの中核である「影響要因」とは?

 「モチベーションモデル」は、影響要因、アセスメント、目的、手段という4つの大きな柱から構成されていることは前回ご説明しました。今回からは、実際のビジネス計画策定の流れに沿って、4つの柱の中の各要素を配置してみましょう(図1)。

 企業によっては、順序が若干違ったり、使用する言葉が異なったりすることもあるかもしれませんが、長期的/抽象的/定性的な要素から短期的/具体的/定量的な要素を決定していくことになろうかと思います。実際には、これらの要素をベースとした実行計画が作成されることになるでしょう。

図1. ビジネス計画の流れ

 今回は、図中の左上と左下に位置する影響要因について、触れていくことにします。影響要因とは、事業体のビジネスに何らかの影響を与える可能性がある要因を表すものです。もう少し具体的に見ていきましょう。まずは、事業体を境界線として、その外側にあるものを「外部影響要因」、内部にあるものを「内部影響要因」に分類することができます。外部影響要因はさらに、「マクロ影響」と「ミクロ影響要因」に分類することができます(図2)。

図2. 影響要因の構造

 ここでいう「事業体」とは、ビジネスアーキテクチャーの主体そのものを意味します。したがって、「親会社」や「持ち株会社」などは、影響を与える組織という特殊な外部影響要因として定義することができます(図3)。同様に、特定の監督官庁や債権者などもこれに属します。

図3. 影響を与える組織

 図4は、「マクロ影響要因およびミクロ影響要因(外部影響要因)」と「自社ビジネス(内部影響要因)」の関係を、別な角度から表したものです。「マクロ影響要因」とは、単独の事業体ではコントロールすることができない世の中の大きな趨勢である要因を指します。一方、「ミクロ影響要因」とは、事業体の属する業界とその周辺に存在する利害関係者を含む要因を指します。

図4. 影響要因間の関係

 一般的に、マクロ影響要因の大きな動きがミクロ影響要因にインパクトを与え、最終的に事業体のビジネスに何らかの作用をもたらします。たとえば、金融や保険業界においては、規制緩和(法律)やインターネットの普及(技術)によって、新規参入者が増えると同時に統廃合が進み、業界構造に大きな変化を与えたことは皆さんの記憶にも新しいことかと思います。現在においては、TPP(環太平洋連携協定)が多くの業界に影響を与えることになりそうです。

 次のページ以降で、これらの影響要因の中身を詳しく検証していくことにしましょう。

次のページ
自社ではコントロールできない6つのマクロ要因(PESTLE)

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この記事の著者

白井 和康(シライ カズヤス)

 ITコンサルティング会社所属。IT業界において20年以上にわたり、営業、事業企画、マーケティング、コンサルティングと幅広い役割に従事。2年前のある日、「日本のビジネスに光を!」という天からの啓示を受けて以来、ビジネス構造の究明と可視化に没頭中。好きな言葉は、「人生とは、別の計画を作るのに忙しいときに起こる出来事である。」(ジョン・レノン)Facebookページ「ビジネスアーキテクチャー研究ラボ」を運営中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://enterprisezine.jp/article/detail/5098 2013/09/04 08:00

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