SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

最新イベントはこちら!

Data Tech 2024

2024年11月21日(木)オンライン開催

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

EnterpriseZine(エンタープライズジン)

EnterpriseZine編集部が最旬ITトピックの深層に迫る。ここでしか読めない、エンタープライズITの最新トピックをお届けします。

『EnterpriseZine Press』

2024年秋号(EnterpriseZine Press 2024 Autumn)特集「生成AI時代に考える“真のDX人材育成”──『スキル策定』『実践』2つの観点で紐解く」

クリエイティブ・シフト-パターン・ランゲージによる創造的な組織づくり

「つくることによる学び」を支援するラーニング・パターン

(第3回) 

前回に引き続き、一人ひとりが「つくることによって学ぶ」ことを支援するために、創造的な学び(クリエイティブ・ラーニング)のパターン・ランゲージである「ラーニング・パターン」を紹介する。今回は、「学びのチャンス」「つくることによる学び」「学びをひらく」という3つの原則に関連する36パターンを紹介する。今回紹介するラーニング・パターンの活用事例として、次回はプランニング(計画)とリフレクション(振り返り)を、次々回はラーニング・パターンを用いたダイアログ(対話)のワークショップを取り上げる予定である。

ラーニング・パターンの全体像

 ラーニング・パターンは、《学びのデザイン》を中心として、《学びのチャンス》を自ら生み出すこと、実際の活動のなかで《つくることによる学び》をすること、そして一人で取り組むのではなく《学びをひらく》ということ、という3つの原則によって体系づけられている。

 以下では、3つの原則のそれぞれに関連するパターンを紹介していく。以下、《 》で囲まれているものが、パターン名(パターンの名前)である。

ラーニング・パターンの3原則
図1:学びのデザインを中心とした「ラーニング・パターンの3原則」

ラーニング・パターンの原則1「学びのチャンスをつくる」

 創造的な学びを実現しようと思っても、あれこれ迷って悩んでいるだけでは何も始まらない。そこで、興味・関心があると感じる分野・領域に《まずはつかる》ことが重要である。そしてその環境のなかで、周囲の人のやり方を《まねぶことから》始め、わからないこと・できないことについては自分で理解・実践できるようになるように聞く《教わり上手になる》ことが重要である。

 そして、積極的に創造活動に参加し、アウトプットに携わっていく。そのなかで《アウトプットから始まる学び》を行っていけばよい。大切なのは、「今できるか・できないか」ではなく、「最終的にできるようになるか・ならないか」である。特に、外国語を習得したいと思っている場合には、単語や文法を覚えて(インプットして)から使う(アウトプットする)のではなく、実際に使う(アウトプットする)ために調べて(インプットして)学んでいくようにする。そのためには日頃から、外国語でツイートしたりブログを書いたりするような《外国語の普段使い》の工夫をするとよいだろう。また、自分が楽しく続けられるように、《学びのなかの遊び》を取り入れるとよい。

学びのチャンスをつくる(1)
図2:ラーニング・パターンの原則1「学びのチャンスをつくる(1)」

 何かの理解を深めたいときには、それに必要な知識が得られそうな分野・領域を探索し、《学びの竜巻》に巻き込むように集め、吸収していく。そのような学びの過程においては、知らないことを知り、考えてこなかったことを考えることになるので、興奮や感動を覚えるはずだ。そのような《知のワクワク!》を、次の学びの原動力にするとよい。そういうサイクルを連鎖的にまわしていくと、やがて《量は質を生む》ことになる。ある量を超えると、突然深い理解や洞察が得られるようになる。

 何かのスキルを身につけたいときには、《身体で覚える》まで繰り返し練習することが大切である。例えば言語習得の場合には、《言語のシャワー》をじゃぶじゃぶに浴びることで、身体に馴染ませていく。そのための環境は、自ら構築して、自分に合うようにするとよい。とはいえ、繰り返しの練習は単調になりがちで、継続へのモチベーションが下がりやすいので、自分がどれだけ伸びたのかという《成長の発見》ができる工夫をするとよい。

学びのチャンスをつくる(2)
図3:ラーニング・パターンの原則1「学びのチャンスをつくる(2)」

次のページ
ラーニング・パターンの原則2「つくることによる学びを実現する」

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
クリエイティブ・シフト-パターン・ランゲージによる創造的な組織づくり連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

井庭 崇(イバ タカシ)

慶應義塾大学総合政策学部准教授。博士(政策・メディア)。専門は、パターン・ラン ゲージ、システム理論、創造技法。マサチューセッツ工科大学(MIT)スローン経営大学院 Center for Collective Intelligence 客員研究員等を経て、現職。編著書・共著書に『複雑系入門――知のフ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/5254 2013/10/24 08:00

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング