4年間でAWSの国内ユーザー数は2万人を超える
re: Inventでは数多くの新サービスや既存サービスの機能強化が発表されたが、報告会ではこのうち、「Amazon Workspaces」「Amazon RDS PostgreSQL」「Amazon Kenisis」「Amazon AppStream」、「Amazon EC2」の新インスタンス「G2」「C3」「I2」、「AWS CloudTrail」などを紹介した。
報告会では、まず、長崎氏が「2009年から日本での活動を開始し、2013年までの4年間で国内ユーザー数が2万人を超えるまで成長できた。2013年は認定制度や公式トレーニングの開始、大阪支社開設など、ローカライズを加速している。東急ハンズ様やミサワホーム様のようにクラウドを最優先で考える企業も増えた」と国内の実績を紹介した。
re: Inventについては「昨年は150、今年は200を超えるアップデートを行った。イノベーションを新サービスとして国内のお客様に届けられることを嬉しく思う」と話した。
「AWS re: Invent」で発表された最新サービスと機能(1)
Amazon Workspaces
続いて、玉川氏が新サービスの特徴や機能、背景を順に説明していった。最初に紹介したのは、現在限定プレビューが行われているAmazon Workspacesで、玉川氏によると「フルマネージドされたリモートデスクトップサービス」となる。Windows 7相当のOSを、PC、Android、iPad、Macなどからインターネット越しに月35ドル(1CPU、メモリ3.7GB、50GBストレージ)から利用できる。Active Directoryと統合でき、S3へのバックアップにも対応する。
「Windows XPのサポート終了や、マルチデバイスで仕事する環境への変化、災害対策などを背景としてVDI(Virtual Desktop Infrastructure)に対する関心が高まっている。だが、VDIを構築するには仮想化のためのソフトウェア、ハードウェア、OSなどのライセンス費用がかさみ、現実的ではなかった。Workspacesは、初期費用なしにさまざまなデバイスから好きなときに仮想デスクトップサービスを月額料金で利用することができる」(同氏)
ユーザー数1000名でオンプレミスでVDI環境を構築する場合と比較すると、TCOを約60%削減する効果が見込めるという。具体的には、Workspacesの場合、月35米ドルのプランに管理コスト月8.333ドルを足した43.333ドルで済むに対し、オンプレミス環境ではサーバハードウェア約20ドル、ストレージハードウェア約24ドル、電気や空調代約10ドル、VDI管理ソフト約3ドルなど、さまざまな面でコストが積み上がり、合計106.356ドルになるという。
詳しいアーキテクチャは公開されていないが、クライアントに専用ソフトをインストールし、VMware Viewなどで利用されているPCoIP(PC-over-IP)プロトコルでEC2上に構築したインスタンス(VPC上でホスト)にアクセスする仕組み。AWSのWebサイトなどによると、Windows7相当のOSとはWindows Server 2008 R2のことで、1ユーザーに1インスタンスの割り当てとなる。管理者は、マネジメントコンソールから管理できる。