法人での導入の場合、目的、用途、メリットを明確に整理する
iPadが発表されたのは2010年1月27日(米国サンフランシスコ時間)で、同年4月3日に米国で、日本では同年5月28日に発売になった。発表されたときには「大きなiPhone」などと揶揄していたマスコミもいたが、結果的に世界中にタブレット旋風を巻き起こす結果となった。
私自身、これからタブレットの時代が来ると思ったものの、予想と大きく乖離したのはAndroidタブレットが売れなかったことだ。Android OS端末は、当時バージョン1.6でスマートフォンから発売開始したのだが、一年も経たないうちにOSのバージョンアップに対応しなくなるという問題が頻発していた。その延長で発売されたタブレットは、OSの問題に加えて重量が1kg近く、USBやケーブルなどの端子を増やしすぎて、デザイン的に美しくないものも登場していたが、特に法人での導入はiPadの一人勝ちとなったのはご存じのところだ。
ここ数ヶ月はWindows8またはRTを搭載したSurfaceというマイクロソフトが独自に発表した端末が人気になっており、街中のカフェなどでも時折見かけるようになった。法人でも導入するところが出てきたが、それ以外のWindowsタブレットの法人導入について聞こえてこないのは、タブレット導入の目的が共有されていないことが多いようだ。
個人でタブレットを購入するのであれば、使い勝手はもちろん「カッコいい」とか、デザインが好き、自慢できる、という理由で買う人がいても何ら支障はない。しかし、法人で導入する場合は、その目的、用途、それによるメリットを明確に整理しておく必要がある。しかし、実際の導入現場ではそれがおざなりにされていることは少なくない。