コミュニティベースの真のオープンソース・ソフトウェアであることが評価ポイント
Monty氏は、買収されたSun Microsystemsには所属した。しかし、Oracleが買収する前にSunを離れている。2010年には、一緒にSunを離れたエンジニアらとMariaDB社を立ち上げ、MySQLからフォークして新たにMariaDBの開発を開始する。同様にMonty氏と一緒に働いていてスピンアウトしたサポートエンジニア、セールス、コンサルタントといった人たちが、SkySQL社を設立。こちらでは、MySQLとMariaDBのサポートサービス・ビジネスを開始する。
2012年、Monty氏により新たにMariaDB Foundationが設立され、MariaDBの所有はこのFoundationに移行する。
「この変更はMariaDBが企業から影響を受けない、コミュニティベースの純粋なオープンソース・ソフトウェアであり続けるためのものです」と説明するのは、SkySQLでアジアパシフィック地域のビジネスを担当するMichael Carney氏だ。
翌2013年にはMariaDB社とSkySQL社が統合され、80名規模の新たなSkySQLがスタートしている。現在、SkySQLでは36カ国、450社以上とサービス契約を結んでいる。
「MariaDBが市場で評価される理由は、この450社のSkySQLの顧客以外にMariaDBのユーザーが世界中に何万といることです。そして、そのようにたくさんの人が使ってくれている理由が、MariaDBがオープンソース・ソフトウェアだということです。ベンダーロックインもありません」
Monty氏は、真にオープンソースなプロダクトであるが故に、数多くのLinuxディストリビューションで配布されるデータベースとしてもMariaDBが採用されており、そのことも市場での評価を後押ししていると説明する。「MySQLの持っている機能のすべてが、MariaDBにはあります。さらにMySQLにはない独自機能もあります」とMonty氏。
セキュリティに強いところも、MariaDBが評価されるポイントとのこと。さらに「なんらか問題が発生しても、1日か2日ですぐに対応できます。これがOracleの場合なら、さまざまな手続きを経る必要があるためか対応するのに1ヶ月、2ヶ月とかかることもあります」と、フットワークの軽さも強調する。