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Azureのよくなった感が伝わっていない?
谷川:「2年間ですごくよくなった」感が、市場にあまり伝わってないような印象を受けるんですが、いかがですか?
柳下:解説本もあります。しかし、そこで扱っているSDKがやや古いせいもありますね。
谷川:ああ、書籍だと出版までのタイムラグもあるので、どうしても情報が古くなりますね。出版社としては賞味期限を考えたら、クラウド対応の本なんか、出したくないですよね。あっという間に更新され、どんどん内容が時代遅れになってしまうから。
柳下: Azure界隈だとブログで情報が伝わります。誰かが「やってみた」と投稿するとか、草の根的な動きに支えられています。
佐藤:ベンダーからマニュアルなどを出せればいいのですが、数週間ごとに新機能がリリースされる世界で、英語の文献でもブログ記事しかなかったり。私のほうでせっせと翻訳もしているのですが、物量的に間に合わず……。日本だとJAZUG(Japan Windows Azure User Group)もあり、その活動も貴重です。
谷川:エンジニアは「英語文献も見ないと」ですよね。
佐藤:そうなんですよ!先日Azureパートナーさんが登場するパネルディスカッションがありまして。マイクロソフトへのリクエストには「ドキュメントの日本語化」と「日本語の書籍」が多かったです。個人的には、エンジニアなのだから「原文(英語)を読まなくては」とも思うのですが、表立ってそうとも言えず……。
柳下:変な機械翻訳よりは英語のほうがいいっていうのはありますね。なので、翻訳しなくていいから、タイムリーに英語の最新情報へのリンクをまとめてくれる(日本語の)ブログがあるといいですね。あとサンプルコードが少ないので、MSや関係者が試したものをもっと提供してほしいです。僕は気になったAzureの記事をTumblrにまとめているのですが、最近では、それをチェックする人が出てきていますね。
谷川:自分用のメモなのに、他人の役に立っていると。
柳下:Azureに限らない話だと思います。情報量が多すぎるので、本家が発表した情報をキュレーションする人がいないとつらい。
谷川:逆にそう言えるくらい情報が増えているのですね。
柳下:2年前に比べれば雲泥の差です。でも、まだ十分とは言えませんね。
佐藤:2年前だとPaaSの「Windows Azureクラウドサービス」が中心だった時代で、PaaSの制約を回避するための裏技など、Azureの世界は一種の職人芸のようでした。とはいえ、「クラウドサービス」については、ナレッジが蓄積されてきています。一方、2013年の4月からIaaSの「Windows Azure仮想マシン」が正式リリースとなり、Windows ServerだけではなくLinuxもサポートされるようになりました。今ならAzureでOSS系を使うのも普通になりつつありますが、ナレッジの蓄積はまだまだですね。
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