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いま、マーケティング分野のデータ活用が熱い!

edited by DB Online   2014/04/03 11:45

 あっと言う間に4月になってしまった。消費税も上がり、企業業績の上向きには若干の不安材料もある。とはいえ景気のいい話もちらほら聞こえてくる。たとえば東京の西麻布界隈の街は、バブル崩壊以降かなり閑散としていた。それがここ最近はバブル期を彷彿とさせる盛り上がり見せているのだとか。こういう話を聞くと、今年度はちょっと期待しても良いのかなと思えてくる。

いま、マーケティング分野でのデータ活用が熱い

 とはいえ、市場では競争が激化している。勝ち組と負け組はすぐにはっきりしてしまう。変化や革新を続けないと生き残れない。そのために必要なのがデータ活用。なので何度目かのBIブームが再びIT業界では起こっている。今回のBIブームはビッグデータとセットだったり、クラウド上での利用だったりするのがポイントだ。前者は言わずもがな、後者のクラウドは「俊敏性」が1つの売りとなる。

 これまでは手間とコストをかけデータウェアハウスを構築し、分析者という専門家が使うのがBIツールだった。そのため、オンプレミス型のお高いシステムが中心。それが企業のあらゆるところでBIをという流れが起こり、専門家以外もBIツールを使うようになる。多くはレポーティングが中心だが、分野によっては高度な分析を行い新たな可視化や判断にBIツールを活用する動きが出ている。

 中でもマーケティング分野において、データ活用して効率的なマーケティングを実現したいニーズが高まっている。それが最近話題の「マーケティングオートメーション」にもつながる。マーケティングを自動化するためにもデータ活用は必須であり、広告業界ではDMP(data Management Platform)といったキーワードも注目されている。DMPは、デジタルマーケティングを実現するために必要なさまざまなデータを一元的に管理し、データを使ったマーケティングの最適化が行えるようにするものだ。

ウィングアーク1stがDMPの可視化、
分析に特化した新たな独自クラウドBIのサービスを開始する

 このDMPの可視化、分析のためのクラウドサービス「MotionBoard Cloud for DMP」の提供を開始すると発表したのが、ウィングアーク1stだ。マーケティングの分野は変化も激しく特に俊敏性が重要。ということもありクラウドでのサービス展開となったようだ。

 「for Salesforceはすでにありますが、MotionBoard Cloudはそれとは別のサービスです。これで本格的にクラウドを始めます。ウィングアーク1stはソフトウェアベンダーではありますが、今後はさらにソリューションサービスのベンダーになります。それで、今年は躍進したい」と語るのは、代表取締役社長の内野弘幸氏だ。

内野弘幸氏
内野弘幸氏

 ウィングアーク1stは、「Dr.Sum EA」というBIツールを提供してきた。これはすでに4,290社の導入実績があり海外製品が主流のBIツール市場で、国産ベンダーとして独り気を吐く存在でもある。Dr.Sum EAは独自データベースも内包するオンプレミス型のソフトウェアだ。これに加え「MotionBoard」という多彩な表現で情報の可視化を実現する情報活用ダッシュボードも3年前から提供している。こちらの導入実績は160社ある。さらに、このMotionBoardをSalesforceのforce.comの上で動くようにしたクラウドサービス「MotionBoard for Salesforce」も提供している。こちらは提供開始から1年ちょっとが経過したところで76社が導入している。Salesforceの上という限られたマーケットの実績と考えると、顧客のこのツールへの評価も高いものがありそうだ。

 Dr.Sum EAもMotionBoardも、汎用的なBIツールという位置づけになる。なので、データウェアハウスだけでなく、ERPのレポーティングなどどのようなデータベースのデータでも可視化し分析できる。これに対し今回発表したMotionBoard Cloud for DMPは、DMPの可視化、分析に特化したクラウドサービスだ。そして、同じクラウドのサービスでもこれまでのSalesforceのPaaSを利用するのではなく、ウィングアーク1st独自のクラウドプラットフォームで動かす。これによりSalesforce以外の、企業が独自に構築する「プライベートDMP」を対象にできるのだ。

 たんに「MotionBoard Cloud」として汎用クラウドBIサービスとしての提供もできたはずだ。そうせずに「for DMP」とすることで、よりこのサービスのターゲットをはっきりさせている。

中土井 利行氏
中土井 利行氏

 「従来のERPと連携するレポーティングBIのところは引き続きやります。それに加えセールス&マーケティング部分のPDCAのところで、企業の収益拡大につながるBIをやります。これをソリューションBIと呼んでおり、おもにクラウドでサービス展開していきます。サーバーを立てインテグレーションする5年くらいのスパンで考えるような(旧来のデータウェアハウス)システムではなく、サービスを選んで使うニーズに対応するものです」

 ウィングアーク1st 営業部 ソリューションビジネス推進部 部長の中土井 利行氏は、MotionBoard Cloudは今後のクラウドサービスの基盤となるものであり、Salesforceの経験をもとに新たにラインナップしたものだと言う。現状のクラウドのサービスでは、マーケティングやセールスの領域が先行している。新たな製品やサービスは広くたくさん売りたいと考えがちだが、適用領域をあえてマーケティングに絞って展開するところは興味深い取り組みだろう。

 この新たなクラウドサービスの展開方法についても、いままでのチャネルではなく主要なDMPベンダーと連携していく。さらに、すぐに利用できるようにするために、オープンデータも活用できるようにする。たとえば、人口統計や気象観測データなどをウィングアーク1stで用意するとのことだ。基本使用料は10ユーザーで月額10万円から。追加1ユーザーは1万円となり、かなり小さく始められるのも特長だ。サービスの提供開始は6月からを予定しており、5月からトライアル利用の募集が開始される。

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著者プロフィール

  • 谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

    EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーター かつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリストとして、クラウド、データベース、ビッグデータ活用などをキーワードに、エンタープライズIT関連の取材、執筆を行っている。

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