SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

最新イベントはこちら!

Data Tech 2024

2024年11月21日(木)オンライン開催

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

EnterpriseZine(エンタープライズジン)

EnterpriseZine編集部が最旬ITトピックの深層に迫る。ここでしか読めない、エンタープライズITの最新トピックをお届けします。

『EnterpriseZine Press』

2024年秋号(EnterpriseZine Press 2024 Autumn)特集「生成AI時代に考える“真のDX人材育成”──『スキル策定』『実践』2つの観点で紐解く」

BIZ Press

コース終了率5%!?-オンライン教育でイノベーションは起きるのか?

「新経済サミット2014」セッション・レポート:第4回


 世界のICTビジネスリーダーが集う「新経済サミット2014」が2014年4月9-10日、東京のホテルニューオータニにて開催された。9日のセッション3では、教育におけるIT事情に詳しい学術関係者、実業家が「ITは世界の教育に何をもたらすことができるのか」を語り合った。

「教育×テクノロジー活用」によるイノベーションは、まだまだ初期段階

 本セッション「イノベーション – 教育~ITで世界の教育はどう変わっていくのか」では、株式会社ビズリーチの南壮一郎氏がモデレーターを務め、パネリストとしてHarvard Business Schoolのヤンミ・ムン氏、慶應義塾大学の村井純氏、Udemyのデニス・ヤン氏が登壇した。

新経済サミット0409セッション3
▲(左から)モデレータ:南 壮一郎氏/株式会社ビズリーチ 代表取締役
パネリスト:ヤンミ・ムン氏/Harvard Business School 経営学ドナルド・K・デイビッド寄附講座教授 
デニス・ヤン氏/Udemy, Inc. プレジデント兼COO 
村井 純氏/慶應義塾大学 環境情報学部長・教授

 まず、パネリストらに「テクノロジーと教育の現状」をどう捉えているかが問われた。

 オンライン学習の研究をしているムン氏によると、昨年、最も人気のあったオンラインの学習コンテンツはマサチューセッツ工科大学(MIT)が提供する「電子回路」コースで、登録者は15万人にも達した。しかし、コースを終了したのはそのうちの5%未満。この「ドロップアウト率95%」という数字は、オンラインコースでは珍しくないという。

 なぜ、オンラインコースの落ちこぼれ率はこれほどにまで高いのか。強制でないなどの理由もあるが「これまでの講義形式の授業を単にオンラインで提供しているだけ」で、イノベーティブでないことが一因だとムン氏は指摘する。

 「現状では、よりアクセスしやすく、より没頭できるコースを作ることに成功している創造的なコースは例外的で、オンラインラーニングの大きなブレイクスルーはまだ起こっていない。とはいえ、オンラインの発達により先生たちは競争しなければならなくなり、退屈な授業をしてはいられない時代になってきた。よりクリエイティブに学生の想像力をとらえなければならない状況になっている」(ムン氏)

 生涯教育におけるスキルベースの教育の展開をミッションとするオンライン講座サイト、Udemyのヤン氏は、テクノロジーの発達により個人のスキルセットのレベルが従来以上に大きく変化していることに触れ、「今の子どもの65%は将来、今は存在しない職業に就くことになる。現在の教育システムはこの変化のスピードに追いついていないのではないか」と問題提起した。

 「若者の40%が失業していることを踏まえ、若い世代が正しい教育を受けることを担保すべきだ。教育において最も重要な一個人にとっての将来のスキルとは、新しいスキルを習得することそのものだと思っている。新しい世代の人たちは、私たちとは違うかたちで学びを得るのではないか」(ヤン氏)

 日本のインターネットの父と呼ばれる村井氏は、教育が従来、国家主導で実施されてきたことを指摘。インターネットでグローバルにつながった世界のなかで、教育に使用する言語などを含めて、それぞれの国がどう適応していくのかが問われると述べた。

 「たとえば、大学と企業は学生インターンなどを通じて連携し、学生に国際的な学びの機会を提供する。各国の大学はネットワークに参画し、協力しながら一定の卒業証書を発行し、グローバルに学生を輩出していく。日本としてはまずアジア圏でこのような体制ができればと思う」(村井氏)

次のページ
パーソナライゼーション、双方向教育、教室外の学びで新たな学習体験を

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
BIZ Press連載記事一覧

もっと読む

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/5795 2014/09/26 18:17

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング