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新興ベンダーのピュア・ストレージ、新製品投入でオールフラッシュストレージ市場に新たな旋風を巻き起こすか

 エンタープライズ向けオールフラッシュストレージ製品の新興ベンダーであるピュア・ストレージが、従来の「FlashArray 420」に加え、エントリーモデルの「FlashArray 405」および上位モデルの「FlashArray 450」という2つの新製品を発売した。合わせて、ストレージOSのバージョンも更新し「Purity 4.0」として提供を開始する。

カタログ上のピーク性能が高ければいいというわけでない

 ピュアストレージ・ジャパン株式会社代表取締役の山田秀樹氏
ピュアストレージ・ジャパン株式会社 代表取締役 山田 秀樹氏

 「正直、日本の顧客が我々の製品を受け入れてくれるか不安もありました。しかし、いくつかの大手企業が実際に製品を採用してくれ、リピートオーダーももらえています。日本市場でもうまくやれると確信しました」

 ピュアストレージ・ジャパン株式会社代表取締役の山田秀樹氏は、自社製品が素晴らしいものであることは分かっていたので、いち早く日本の顧客に届けたかった。とはいえ、日本の市場で理解されるかどうかは不安もあったと述べる。この不安は、ある意味同社の製品がそれだけユニークな存在だからだとも言える。

 製品には自信があったが、既存のFlashArray 420だけですべての顧客ニーズは満たせない。製品をすでに使っている顧客からも「もっと速く、もっと大きく、逆にもう少しスモールスタートできないかといった声もありました」と山田氏は述べる。そういったニーズを満たすために、今回新たにラインナップを拡充した。

 米国ピュア・ストレージ社のプロダクト&ソリューション・マーケティングディレクターであるジム・サングスター氏は、ピュア・ストレージの製品はすでに世界で1,000ユニット以上の製品を出荷しており、ペタバイトを超える事例も数多くあると言う。

 同社の創業が2009年、製品提供を開始したのが2012年5月。つまり、わずか2年間ほどの期間での実績であり、急激に採用が増えていると言ってもいいだろう。また、製品に満足できなければ返品できるという保証もしており、こうした取り組みが製品に対する自信の表れであると同時に、製品の普及を後押ししている。

 米国ピュア・ストレージ社のプロダクト&ソリューション・マーケティングディレクターであるジム・サングスター氏
米国ピュア・ストレージ社  プロダクト&ソリューション・マーケティング
ディレクター ジム・サングスター氏

 市場には、ピーク性能が100万IOPSを超えるような高性能を追求したフラッシュストレージ製品はすでに存在する。ピュア・ストレージの場合は40万IOPSほどなので、この数字だけであれば見劣りする。しかし、この100万IOPSといった性能値は、実際の顧客の稼働環境に適したものではないとサングスター氏は指摘する。

 100万IOPSを発揮する際のI/Oサイズは、4K程度とかなり小さい。それが倍の8Kになると50万IOPSくらいに性能が一気に低下するのが普通だ。さらにサイズが大きくなればどんどん性能は下がる。ピュア・ストレージの場合はピーク性能こそ40万IOPS程度だが、I/Oサイズが8Kになっても急激には落ち込まない。16K程度では高性能なフラッシュストレージの性能を逆転する。実環境ではI/Oサイズは20Kから50Kくらいが中心となる。I/Oサイズ32Kの際には、ピュア・ストレージの製品は高性能なフラッシュストレージの3倍程度の性能を発揮するといったベンチマーク結果もあるとのことだ。

 もう1つピュア・ストレージのユニークな点が、圧縮と重複排除の機能が標準で提供されていることだ。アーカイブ用途のストレージであれば重複排除は有効な機能だが、プライマーリーのストレージに重複排除機能を提供し高い性能を発揮するのは難しい。ピュア・ストレージでは重複排除もインラインでリアルタイムに行える。データの種類によって、重複排除で大きくサイズを削減できるものもあれば、圧縮のほうが効率的なものもある。両方が組み合わされていることで、どんなデータでもかなりサイズを小さくできる。なので、物理容量の5倍程度のデータを管理できるのがピュア・ストレージの特長となっている。

 圧縮と重複排除でデータサイズが小さくなることは、ストレージのI/O性能の向上に貢献する。また、ピュア・ストレージが利用しているMLC型SSDの弱点でもある書き換えの回数制限に対しても有効だ。自社システムのデータに対するストレージ容量の見積もりには、ピュア・ストレージのサイトに実データを使ってデータ削減率を試算するツールが用意されている。

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Forever FlashでSSDに対する耐久性の不安にも対応

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

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