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週刊DBオンライン 谷川耕一

デジタルマーケティング週間!各社各様のアプローチを比較してみよう


 何度か取材し記事にもしているが、マーケティングオートメーション・ツールが日本でも本格的に普及しつつある。海外で実績あるツールが各種日本市場にも出そろい、既存の日本製ツールなどとも今後は熾烈なシェア争いが起こりそうだ。そんな中、先週は大きなデジタルマーケティング関連のイベントが立て続けに開催された。

セールスフォース・ドットコムは「カスタマージャーニー」押し

リー・ホークス氏
リー・ホークス氏

 1つ目はセールスフォース・ドットコムの「Salesforce1 World Tour Tokyo」。このイベントのすべてがデジタルマーケティングを題材にしたものではなかったが、主要テーマの1つがマーケティングオートメーション・ツール「Salesforce1 ExactTarget Marketing Cloud」の日本でのお披露目だった。

 米国セールスフォース・ドットコム ExactTarget Marketing CloudSVP & ジェネラルマネージャーのリー・ホークス氏は、デジタルマーケティングの実現には3つのポイントがあると言う。1つ目が「データが大事」だということ。企業においてはマーケティング以外の部隊が1年間で生成するよりもたくさんのデータを、マーケティング関連ではほんの1日で生成するとも言われている。マーケターはこの大量に生成されるデータが大事であることを理解しており、それらを是非とも活用したい。活用するにはさまざまなところから生まれる大量データを単一ビューで見られるようにし、そこからすぐに行動が起こせる環境を用意する必要がある。

 2つ目のポイントが、「カスタマージャーニー」という顧客の捉え方だ。顧客との関係性は広告やWebページなどの接点だけではない。店舗、ECサイトなどでの製品やサービスの購入や購入後のサポート窓口とのやり取りなど多くのタッチポイントがある。一連の顧客との接点を「ジャーニー」として捉え、このジャーニーをどう管理するかがデジタルマーケティングでは重要。ジャーニーを適切に管理することで顧客の次なる行動を予測し、それを売り上げにつなげることができる。

 3つ目が、「One to One」であること。マーケターは顧客の1人1人と会話し、彼らが誰でどこにいて何を考えているかを理解する。理解できれば最適なコンテンツを顧客に提供できる。「本当の意味で顧客とのつながりを構築できるか、顧客に対し完璧な形でのデータ伝達が必要になります」とホークス氏は言う。

 この3つのポイントすべてを実現できるのがSalesforce1 ExactTarget Marketing Cloudだとホークス氏。このイベントのタイミングから、すべての機能が日本でも利用できるようになった。これは言語的に日本語化されただけでなく、日本でこのツールを活用するための体制が整ったということ。デジタルマーケティング・チームが編成され、顧客のデジタルマーケティングの課題を理解しサポートできるようになったのだ。

 これとともに注目を集めたもう1つのニュースが、LINEとExactTarget Marketing Cloudの連携だ。

 「One to Oneのメッセージを、LINEの4億を超えるユーザーに発信できるようになります」(ホークス氏)

 LINEの公式アカウントを取得し企業がユーザーになんらかのメッセージを送る際、これまでは同じ内容のメッセージを一斉に送るものだった。これが、ExactTarget Marketing Cloudと連携することで、LINEのユーザー個々に対し最適化したメッセージを送れるようになる。今後、LINEへのメッセージ配信管理の機能が、ExactTarget Marketing Cloudに組み込まれることになる。

 セールスフォース・ドットコムのデジタルマーケティングでは、カスタマージャーニーをメッセージとして前面に押し出している。これを真に実現するには購買やCRM、サポートサービスなどにある顧客データを一元管理する必要がある。ExactTargetにそれらをタイムリーかつスムースに取り込めて始めて、本当の意味でのカスタマージャーニー管理が実現できることに。マーケティングオートメーション元年になり、数年前にも脚光を浴びた「企業内の顧客データの一元化」が改めて注目されることになりそうだ。

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アドビのアプローチは「アノニマスID」の活用がポイント

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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