仮説検証の時間軸の失敗:2週間で検証できることに6カ月かける失敗
気軽に思いついたアイデアで創業、3年目までは順調に成長
有安伸宏氏が経営するcyta.jpは、いろいろなジャンルで先生を見つけ、レッスンをマンツーマンで受けられる個別指導を提供するウェブサイト。昨年10月、クックパッドに全株を売却し同社の子会社となったが、独立性を維持し、ベンチャーマインドを持って経営を継続中という。現在、200種類のレッスンを全国5000会場で展開する有安氏が開拓しているのは、サービスをオンラインで見つけ、予約し、オフラインで消費するというサービスECという事業領域だ。
“スマホを使って今すぐ、近くのギターの先生を見つける、ベビーシッターを探すといったユーザー需要が今後もっと出てくると思っています。モノのECはアマゾンが強いが、サービスのECの領域はブルーオーシャンなのではないかと思い、そこを攻めようとしている会社です”
有安氏は、『ウェブ進化論』でロングテールの概念を知ったことをきっかけに、英会話学校はたくさんあるが「タガログ語の学校はない。マイナーな言語やスポーツはみんなどうやって習っているんだろう?」と疑問を持ち、「店舗を持たずにそういったジャンルの先生と生徒をマンツーマンでマッチングする仕組みは成立するのではないか」と考えたことから、Cyta.jpの創業アイデアを思いついた。このアイデアは、プロのドラマーである弟さんを先生としてウェブサイトを作り、簡単な広告を書いてアプローチし、検証した。
“そうしたら、たまたま、SEOが効いて検索エンジンの上位に表示されて、1回に10人位、生徒が集まって、ぼくと弟の手許に1カ月後に13万くらい入ったんですよ。当時はふつうに働いていたので、衝撃を受けました。ものすごく軽い気持ちでとりあえずウェブサイトを作ったら、結構な数のユーザーがきた。ユーザー1人当たりの獲得コストもすごく低かったので、ビジネスとして『いける』という検証が1カ月でできたんですね”