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NTT Communications Forum 2014 レポート

絶え間ないサービス強化とM&Aでクラウド市場を戦う―NTTコム 有馬社長、クラウドへの積極投資を強調

特に目立つ企業向けクラウドサービスの機能強化

 本講演ではさらに、将来のサービス強化の計画や、近々の提供開始を予定しているサービスの紹介も行われた。インフラ関連では、特に海外への投資を積極的に進めていく予定だという。M&Aを通じ、アジア地域を中心に海外データセンター設備をさらに拡充するとともに、VPNサービス「Arcstar Universal One」のサービス提供国も、2013年のVirtela社買収により160カ国から196カ国まで一気に拡張されたという。  

 また、旧Virtela社のサービスを利用した「NFV(Network Functions Virtualization)サービス」を、海外では2014年8月から提供開始しており、日本国内でも同年12月から利用できるようになる予定。これは、ファイアウォールやWAN高速化機器といったネットワーク機器をクラウドサービスとして利用できるというものだ。  

Arcstar Universal OneのNFVサービス

 同社の企業向けクラウドサービス「Bizホスティング Enterprise Cloud」も、世界中の複数クラウド拠点を一元的に管理できるフェデレーション機能や、SDNを利用してクラウド環境とコロケーション環境を無料で相互接続できるサービスなどを、他社に先駆けていち早く実用化している。また2014年12月には、同社が提供するあらゆるサービスのAPIを統合した「統合APIゲートウェイ」も提供開始予定だという。  

 このほかにも、IP電話やメッセージング、Web会議などを統合したユニファイドコミュニケーション機能をクラウドサービスとして提供する「Arcstar UCaaS」、あるいはIDフェデレーションサービスといった新機能の追加が直近では予定されているという。  

 さらには、クラウドマイグレーションのコンサルティングやマネージドセキュリティサービス、グローバル運用に対応したシステム運用プラットフォームの提供など、機能だけでなく人的支援も含めたコンサルティングサービスやマネージドサービスのメニューも、今後さらに充実させていく予定だという。  

 最後に有馬氏は、さらにその先のプランとして、同社が2015年下期ごろの提供を目指している「次世代クラウド基盤」のアウトラインを示した。  

次世代クラウド基盤のコンセプト

 「この新たなクラウド基盤では、これまでと同様のマルチテナント型の共用型クラウド環境だけでなく、ユーザーが物理サーバを占有できるクラウド環境や、さらには物理サーバをベアメタルで占有できるサービスなど、複数のタイプのサーバ環境を提供できるようになる予定だ。またこれら異なるサーバ環境間をSDNで接続し、一体として運用できるようにもなる。加えて、統合管理ポータルを通じて、既存のクラウド・コロケーション環境や他社クラウド環境も含めて一元的に管理できる。こうした次世代型クラウド基盤の提供を通じて、企業ユーザーの間でますます高まるクラウドへの期待に着実に応えていきたい」(有馬氏)

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この記事の著者

吉村 哲樹(ヨシムラ テツキ)

早稲田大学政治経済学部卒業後、メーカー系システムインテグレーターにてソフトウェア開発に従事。その後、外資系ソフトウェアベンダーでコンサルタント、IT系Webメディアで編集者を務めた後、現在はフリーライターとして活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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