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週刊DBオンライン 谷川耕一

メールの後ろにもWatsonあり


 皆さんは、普段どんな方法で仕事の連絡を行っているだろうか。まだまだメールが中心で、SPAMメールを除いても日に100通以上のメールを受け取る人も多いだろう。私の場合は、各社のプレスリリースや記者発表会の案内、さらには各種Web媒体が発行するメールマガジンなども数多く購読しているので、1日に受け取るメールの数は200通近いかもしれない。

コグニティブ・コンピューティングで新たなメールソリューションを

 日本IBM 専務執行役員 ソフトウェア事業担当のヴィヴェック・マハジャン氏
日本IBM 専務執行役員 ソフトウェア事業担当
ヴィヴェック・マハジャン氏

 さらに最近では、facebookのメッセージで連絡がくるようにもなった。これのいいところは、先方がいまこの瞬間メッセージを読める状態にあるかが分かることだ。PCのブラウザであれば、右側の下のほうにWebなのかモバイルなのか、何分前までオンラインだったかといった状態が表示される。メールならば相手に既読かどうかは分からないので、メッセージを受け取ってから返事をどうするか考える時間を気兼ねなくとることができる。場合によってはそのメッセージに気づかないふりをして、返答しないことも可能だろう。ところがfacebookでは、一度メッセージを開いて読んでしまえば、既読状態が先方に伝わってしまう。なので、通常はそのやり取りから逃れようがない。

 さすがに私はまだ、LINEで仕事の連絡がくることはほとんどない。しかしいまや、LINEも仕事で利用している人が増えていそうだ。どんな方法を利用するにしても、1日に数100というメッセージのやり取りをしているような人は、もはや珍しくないだろう。そういう人の悩みの1つが、やってくるメッセージの重要性が開けて読んでみるまで分からないことだ。

 そんな悩みを解決する画期的なツールをIBMが提供する。2014年1月に「IBM Mail Next」というコードネームで発表された次世代コミュニケーションツールが、先週「IBM Verse」という名称で正式発表された。「人と人の繋がりをモバイルでもクラウドでも可能にします。そしてもう1つ重要なのが、アナリティクスです。システムが自動的にプライオリティを付けてくれます」と語るのは、日本IBM 専務執行役員 ソフトウェア事業担当のヴィヴェック・マハジャン氏だ。

 現状のメールのインボックスを見ても、どのメールが重要かは分からない。これに対しIBM Verseは、システムが重要なメールがどれかを理解し、自動的にそれを推奨してくれる。推奨するメカニズムの裏には、ここ最近IBMがWatsonとして力を入れているような機械学習や分析の技術が活用されているとのこと。つまり、仕事上で相手と頻繁にやり取りする状況を学習して重要度を自動で判定し、そのメッセージをVerseのポータル画面のもっとも目に留まりやすい位置に表示してくれるのだ。

図 IBM Verseのポータル画面イメージ★★
 IBM Verseのポータル画面イメージ

 分析対象となる相手とのやり取りは、メールだけではない。社内ソーシャルネットワークでのメッセージの交換や友達関係なども含め判断する。自分を相手がタグ付けしているか、相手と友達関係にあるのか、発言に対し「いいね」を付けてくれたことがあるかなど、互いの情報参照度合いをポイント換算し順位付けする。さらにメールやチャットのやり取りを加え、重要度を判断することになる。残念ながら、今回の発表時点で具体的な重要度判断のアルゴリズムの詳細は明らかにされていない。もちろん、ユーザー自らメールの重要度などを指定することも可能だ。

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メールボックスではなく、人を中心に考える

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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