SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

最新イベントはこちら!

Security Online Day 2025 春の陣(開催予定)

2025年3月18日(火)オンライン開催

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

EnterpriseZine(エンタープライズジン)

EnterpriseZine編集部が最旬ITトピックの深層に迫る。ここでしか読めない、エンタープライズITの最新トピックをお届けします。

『EnterpriseZine Press』

2024年秋号(EnterpriseZine Press 2024 Autumn)特集「生成AI時代に考える“真のDX人材育成”──『スキル策定』『実践』2つの観点で紐解く」

データベース温故知新

006 エニグマ・タイプライターの謎―リレーショナルデータベース誕生の時代背景


 映画『イミテーション・ゲーム』を観てから、ずーっと、ボーっとしています。それほど映画は、素晴らしかった!!!アランチューリングの作ったエニグマ解読マシンは暗号文をかたっぱしから(?)変換しドイツ語の元の文が、単語として文脈として正しいものに行き着いたら自動的に止まる。でも、どうやって「解読できた」と判断するのだろうか?解読したキーをポーランドから持ってきたというエニグマ・タイプライターに入力すると文章として出てくる。その解読するためのキーの構造はどうやって知ったのだろうか?

 で、調べてみました。

 実際のエニグマ式暗号システムは、もともと発明者がドイツ軍への売り込みに失敗してしまったので、企業向けに販売したという経緯があるそうです。それから改めて、その優秀さを知った軍が使い始めたらしいのです。若干でも、市場に出た暗号化システムを何も疑問も持たずに使い続けたのが運の尽きです。持ち駒なしの状況で、裸の王将だけになっても、勝利の詰め手を読めるような名人の域に達しているチューリングの手にかかったのです。

 時間無制限であれば暗号解読チームはキーを探し出すことができるのですが、解読できた頃には役に立たない。そしてチューリングのマシンでも時間切れを繰り返す。そして……まだ映画を観ていない人たちに無粋ですからここまでにします。

 でも少しだけ。この壁を乗り越えるキッカケは、マンハッタン計画後のロスアラモス研究所で書かれた「モンテカルロ法」に通じます。これはフォンノイマンが連れてきたユダヤ系ポーランド人、スタニスラウ・ウラルがノイマンにアイデアを話したことから広がったものです。時代は戦後(第二次世界大戦)。チューリングとノイマンは、繋がっていなかったはずですが、モンテカルロ法との因果関係はあるのでしょうか?

 で、僕が、ずっとボーっとしているのは、先にも書きましたがマシンは答えを見つけた時に自動的に止まれるか?です。そして、映画で使われたマシンの外観も頭から離れません。ENIACではIBMパンチカードマシンが結果を出力してくれるのと桁ごとに並べられた数字ランプがありました。当時のイギリスにIBMのパンチカードシステムがあったとしても、暗号解読のリアルタイム処理にパンチカードは使えません。映画のようになっていても嘘っぽいわけでは決してないのですが、あの表示で正解をトレースすることができるのだろうか???映画では、自動的に止まれるキッカケが、モンテカルロ法が……。先に書いた「かたっぱしから変換」など、やっぱりチューリングはしなかったのだ!

次のページ
「吾輩は猫である」は誰が書かなかったのか?

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
データベース温故知新連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

小幡一郎(オバタイチロウ)

DBOnline特命記者 ユーザ企業としてPCやオフコンからコンピュータキャリアはスタートし、メインフレーム・パッケージベンダーそして日本オラクルを経て1995年インサイトテクノロジーを設立。2007年、インサイトテクノロジーから離れ、デンマークのMiracleグループに参加、ミラクル・アジアパシフ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/6789 2015/06/01 11:01

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング