世界中の衛星放送を手がける仮想の会社「インターサテライト社」をモデルにデータ構築を行いました。この会社では各家庭に番組を提供し放送料収益を上げるだけでなく、コマーシャルを通じて通信販売も行っています。1日70万件に上る視聴データをはじめとし、販売データ、顧客、番組、コマーシャルなどのデータを3年分持っています。
収益を上げるために各時間帯ごとの視聴率調査を行い、視聴者層に合わせた番組の提供や年齢・性別に合わせた商品のコマーシャルを行うのにデータ・ウェアハウスを活用します。また、コマーシャルが効果的であったか売上推移から分析するのにも使用します。
データの管理にはOracle8とParallel Server Option、HP社の64bit CPUをそれぞれ4個搭載した16ノード・クラスタ構成のHP9000 EPS22、そして、EMC社の合計容量5テラバイトのディスクEMC Symmetrixシリーズを使用しています。また、データ・バックアップとリストアのために、管理ツールとしてOracle Recovery Managerとストレージ装置としてEMC Data Managerを使用しています。

1996年のデモ概要の記事です。
この時の目玉機能は、
- Parallel Query
- Parallel Direct Load
- Parallel Index Creation
- Parallel Update
- Parallel Create Table As Select
- Partition Table
- Star-Schama
- Access Hash Join
…です。ハードウェアは20年後の現在からすると少々大げさに見えてしまいますが、ソフトウエアはDWHの必要機能が出揃っていたのがわかります。パラレル処理のために複数のCPUとディスク分散、データベース基盤としてOracleがUnixベンダーを引っ張った黄金時代が始まります。

20年後の2016年。5TBは2.5インチのディスク5本で十分収まります。
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小幡一郎(オバタイチロウ)
DBOnline特命記者 ユーザ企業としてPCやオフコンからコンピュータキャリアはスタートし、メインフレーム・パッケージベンダーそして日本オラクルを経て1995年インサイトテクノロジーを設立。2007年、インサイトテクノロジーから離れ、デンマークのMiracleグループに参加、ミラクル・アジアパシフ...
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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