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東京海上日動火災保険の抜本改革


東京海上日動火災保険株式会社(以下、東京海上日動)では、「正確かつ迅速で、お客様に好感を持っていただける業務プロセス」の構築を目標に、「抜本改革プロジェクト」を推進している。同社は業務プロセスに関係する情報システムを全面的に見直し、第1弾として5月に自動車保険を扱う新システムを稼働させた。CIOとして本プロジェクトを推進する同社常務取締役の横塚裕志氏に、取り組みの経緯や目的を伺いつつ、今後のシステム部門の在り方についてご提言いただいた。(IT Initiative vol.01より転載)

お客様と代理店のためにシステムの抜本改革を推進

― 5月に稼働を開始した代理店向けシステムは、根幹となる業務システムを抜本的に作り直したものだと伺いました。御社にとって挑戦的な取り組みだと思われますが、その背景と経緯についてお話しいただけますでしょうか。

東京海上日動火災保険株式会社
常務取締役 横塚裕志氏
東京海上日動火災保険株式会社 常務取締役 横塚裕志氏

 背景としては、何より社会が変わったことが大きいでしょう。私は1973年の入社時からシステム部に配属され、第一次、第二次、第三次オンライン時代を経て、現在に至ります。日本のオンライン化の歴史と共に歩んできた中で、様々な経験をしてきましたが、最も大きな変化を実感したのは、21世紀に入ってからです。

 1つはインターネットなどのITが仕事や生活の隅々にまで普及し、大量の情報が容易に入手できるようになったこと、そしてもう1つは、その情報を利用してお客様がよりシビアに会社を選ぶようになってきたこと。それらが互いに共鳴し合って大変革が到来したのです。

 今までは企業が商品を製造し、お客様が購入する形でしたから、企業は製品力を高める努力をしていればよかった。それが21世紀に入ってからは、商品だけでなく、商品が提供されるまでのプロセスも重視されるようになりました。東京海上日動も、商品戦略は重要視しつつも、新たな経営戦略を考える必要が生じたわけです。 

 今やお客様が感じるプロセスの価値は、正確さやスピードだけでなく、「有用な情報を教えてもらえた」「気持ちよい対応だった」といったように多様化しています。そうなるとプロセスの価値を最もよくご存じなのはお客様自身であり、お客様と直接接している代理店の方々ということになります。すなわち、ベンチマークすべきライバルは、競合他社ではなくて「お客様」です。

 経営としては、お客様にアピールする最適な方法を考えなければなりません。ところがこれまでの情報システムは、仕事を効率よく処理することに注力した、いわば社員の都合に合わせたシステムでした。

 そこで、「お客様にとって心地よいプロセスを提供する」ためのシステムにするために、お客様を意識した「代理店のためのシステム」をつくり、それを社員も使わせていただくというコンセプトに切り替えました。

 そして、このコンセプトを全社で共有するために「抜本改革プロジェクト」と名付けて展開してきたわけです。 今後は同システムを現在の自動車保険から、火災保険、超保険へと横展開させ、2010年には全商品に対応させたいと考えています。お客様のニーズが常に代理店システムにフィードバックされることによって、システムの改善はエンドレスに続いていくことになりそうです。

次のページ
抜本改革の推進力となったビジネスとシステムの協業

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ITイニシアティブ編集部(ITイニシアティブヘンシュウブ)

経営・ビジネス・ITをつなぐ実践情報誌「IT Initiative」編集部  

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