高い企業ニーズ、市場成長に期待―ハイブリッドクラウドの市場規模
米調査会社のMarketsandMarketsが2015年3月に発表した「ハイブリッドクラウド市場調査」によると、2014年の世界のハイブリッドクラウド市場は252.8億ドル(約3兆円)に達し、2019年には846.7億ドル(約10.1兆円)にまで拡大すると予測している(本調査の市場規模では、クラウド導入コンサルやクラウドインテグレーション、クラウドマネジメントなどに関するカテゴリも含まれている)。
同調査によると、調査の対象となった企業の48%がハイブリッドクラウドの採用を計画しており、ハイブリッドクラウドへの企業ニーズは高く、市場の成長が期待されている。
クラウドサービスの提供形態とパターン別ニーズ
では、クラウドサービスでは実際にどのようなサービス形態があり、ハイブリッドクラウドではどのような連携形態のニーズが高いのか整理していこう。
クラウドサービスにおいては、一般的には以下のとおり4つの提供形態に分類される。
パブリッククラウド
クラウド事業者が提供する仮想化された共有サーバーリソースをインターネットやVPN経由で利用する。サーバーやストレージなどを資産として持つ必要がない。
オンプレミスプライベートクラウド
VMwareやHyper-V、OpenStackなどのクラウド基盤ソフトウェアなどを利用し、クラウド環境をユーザ自身で構築する形態。サーバーやストレージを自社で保有する。
ホステッドプライベートクラウド
プライベートクラウドと同様だが、クラウド事業者のデータセンターで提供される専有型でサーバーやストレージなどのリソースを利用する形態。
オンプレミスの非仮想サーバー
仮想化しない物理サーバーを自社で保有し運用する形態。高パフォーマンスを要求する場合や、ライセンスが仮想サーバーに対応しないなど、クラウド化できない場合の選択肢。
次に、パブリッククラウドおよびプライベートクラウドのそれぞれの利用形態別の市場規模もみてみよう。