Ruby on Railsの高い生産性は本当か
ビジネスの観点から言えば、Railsの魅力は何と言っても生産性の高さにあります。それは、単に初期開発期間が短縮されるだけにとどまりません。Railsは保守フェーズに入った後の仕様変更にも強く、全体としてコストを抑えることが可能です。
しかし、この生産性の高さがどこから生まれるのか、どの程度の効果を持つのか、を説明するのは容易ではありません。当たり前のことですが、利用する人の能力や経験、対象とする案件の種類によって、生産性は大きく変化します。
まずは試してみること
今年6月に統合開発環境NetBeans 6.1(多国語版)がリリースされたことで、Ruby on Rails入門の敷居が格段に下がりました。Rails自体も2005年末にバージョン1.0がリリースされて以来、着実に進化を遂げ、Web開発フレームワークとして成熟しつつあります。今こそ、あなた自身の目でそれが使える「道具」であるかどうかを判断する絶好のタイミングです。
本連載では、Web開発や制作に関わっているが、プログラミング経験のない方を主な対象として、Ruby on Railsでの開発の進め方を体験する道筋を示したいと思います。
統合開発環境NetBeans
NetBeans(ネットビーンズ)は、サン・マイクロシステムズが中心になって開発しているオープンソースの統合開発環境です。
従来よりJava言語のエンジニア間で人気がありましたが、2007年末にリリースされたバージョン6.0からRubyおよびRuby on Railsへの対応が始まりました。現在のバージョンは6.1で、2008年末にバージョン6.5のリリースが予定されています。
完成度の高いソースコードエディタ
Rails開発の観点から見たNetBeansの第一の特長は、ソースコードエディタとしての完成度の高さです。Ruby言語の構文を理解して文字色やフォントを変えてくれますし、構文エラーの自動検知やコード補完の機能もあります。これらの機能は学習を容易にし、製品の品質を高めてくれます。
スクリプトの統合
またNetBeansは、Railsエンジニアがコマンドラインで利用している各種スクリプトを統合しています。そのため、データベースの作成、テーブルの定義、ソースコードの生成などをNetBeans上で行うことができます。