ヒューレッド パッカート エンタープライズ(HPE)が本格的に機械学習を用いたアナリティクスサービスを強化し事業展開を始めた。分析プラットフォームの「Vertica」、セルフサービス型BIの「IDOL 11」、クラウドによるAPI連携サービス「Haven OnDemand」の3つのサービスと製品を連携させる。その全貌が「HPE Advanced Analytics World Tour」と題されたカンファレンスで世界中で発表されている。本記事では、シンガポールで開催されたカンファレンスの内容を紹介する。
持たざるビジネス、「アイデア・エコノミー」の時代
3月23日、シンガポールのマンダリン・オリエンタルホテルで開催されたAPJのメディアブリーフィングのキーノートは、HPEソフトウェア事業部のバイスプレジデント ジェフ・ヴェイス氏が行った。

マーケティング担当バイスプレジデント ジェフ・ヴェイス氏
ヴェイス氏はまず、「アイデア・エコノミー」というコンセプトを披瀝する。
UberやFacebookは「車を持たない」「コンテンツを持たない」ことで成功した。ヴェイス氏は最近では、在庫をもたないハンドメイドやクラフト販売の「Etsy」、金融資産をもたずにマイクロファイナンスで途上国のビジネスに融資をおこなう「Kiva」に注目する。こうしたビジネスは、アイデアを資源としている。
こうしたアイデアをベースにするビジネスにとって、データ分析が重要な事は何度も強調されてきた。しかし課題は、多くのデータが部門や業務ごとにサイロ化すること、ビジネスパーソンにとってデータのアクセスが困難なこと、分析が難しすぎて受動的なレポート作成に時間がかかったしまうことだと指摘する。
ヴェイス氏は多くの会社がまだまだビッグデータの時代の課題を解決しきれていないと言う。数年前からデータサイエンティストを養成しようと多くの会社がトライしたが、育たなかった。今後も、IoTによって機械データやビジネスデータがさらに増大化する。課題の克服のためには、人、機械、ビジネスの関係するデータのすべてを把握することと、機械学習の活用しかないとヴェイス氏は提言する。
「過去のデータマイニングの時代はBIとオフラインのアナリティクス、現在は予測的なアナリティクスの時代、そしてこれから先はリアルタイムの機械学習をすべてのアプリケーションやサービスに適用していくことになります。機械学習がゲームを変えるのです」(ジェフ・ヴェイス氏)

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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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