IPv4アドレスの在庫枯渇
新しい技術の導入は遊んでみる分には楽しいのですが、業務でやるとなると大変です。大抵の企業では「儲かるの?」「何が嬉しいの?」といった前向きな理由を求められちゃいます。
楽しそうだからとか、触ってみたいからといった本音で納得してくれる場合は少ないようです。周囲を説得するためにも、嬉しい事があるとか嫌な事を回避できるとか、何か大人な言葉で説明をしなきゃいけません。
IPv6の場合、細かく見れば導入理由は人によって異なるでしょうが、その根本はずばりIPv4アドレスの在庫枯渇です。
インターネットを経由して通信するには、送信元と送信先を識別するために世界で一意なIPアドレスが必要です。これをグローバルIPアドレスと呼び、必要とする組織からの申請に応じて分配されてます。家庭での利用など、必要なIPアドレスが少量の場合にはISPが代理で申請しているので、利用者は気にしたことも無いでしょう。
企業のネットワークなど、ある程度のアドレス数が必要なネットワークの構築に携わったことのある人なら、IPアドレスの申請書を見掛けた事があるかもしれません。申請書を提出し、その必要性が認められるとグローバルIPアドレスが割り当てられるのです。世界中で同様に申請と割当が行われています。
一方でIPv4のアドレスは固定長であり、分配できる絶対量は決まっています。近年、世界的にインターネットが利用されるようになってくると必要とされるIPv4アドレス数は多くなり、当然のように在庫が足りなくなってきているのです。