PostgreSQLはデジタル時代に最適なデータベース
「なぜ、今PostgreSQLなのか ~ 富士通の取り組みご紹介 ~」というタイトルで講演を行ったのは、データベース関連の開発を担当する富士通の樋口大輔氏だ。PostgreSQLを活用した事例もたくさんあり商用データベースを移行しチューニングしなくても性能が2倍になった例もあると言う。英国環境庁の洪水警報システムでは、富士通クラウドでPostgreSQLのGIS機能を活用している。「PostgreSQLはまさにデジタル時代のデータベースです」と樋口氏。商用データベースのリプレイス先だけでなく、新たな情報活用に最適なプラットフォームだ。
そんな中、富士通ではPostgreSQLをビジネス領域で使いやすくする取り組みをしている。性能面では更新処理に影響を与えずに大量データの高速集計を行う、カラム型インデックスを追加した。商用のインメモリオプションのようなもので、リアルタイムな高速集計を実現し、これは他のインデックスと同等に扱える。
セキュリティ面では監査ログ機能を開発中だ。pgauditでもほとんどの監査ログは取得できるが、どこからコネクションが貼られたか、SELECT文が実行されたかなどまでは分からない。そのためいつ、だれが、どこから、何に対し、どんな処理を行い、結果どうなったかを網羅的に獲得できるようpgauditを拡張しようとしている。
これらの拡張は「コミュニティに機能提案し、皆様に使っていただきたいと思っています」と樋口氏。また、11月には新たにFUJITSU Software Enterprise Postgresを国内発表しており、同製品では埋め込みSQL用COBOLプリプロセッサも提供しているとのことだ。「一緒にPostgreSQLを発展させましょう」と樋口氏は呼びかけた。