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週刊DBオンライン 谷川耕一

ライアン・ゴズリングにウィル・スミス……ハリウッドスターのテクノロジー観に学ぶ、ビジネスのヒント

 先週はIBM、アドビと2社が開催するイベント取材で、米国ラスベガスに行っていた。こういうイベントの取材では、CEOによる基調講演の様子や現地で行なわれる製品やサービス担当者へのインタビューなどが記事になりやすい。しかし、これらは現地で数多く取材したうちの、ほんの一部に過ぎないのだ。

四半期の成功だけでなく、人々の役に立つ何かなれるか?

 取材はしたものの、なかなか記事化できないもののひとつに、基調講演などに登壇したゲストのスピーチ部分がある。ここ最近の海外ベンダーの大きなイベントには、豪華ゲストが登壇するのが普通だ。有名スポーツ選手やハリウッド俳優、歌手やTVタレントが登場する。

 古くはカリフォルニア州知事だったアーノルド・シュワルツェネッガー氏がOracle OpenWorldでスピーチした。大統領選に立候補する前のヒラリー・クリントン氏もSalesforce.comのDreamforceのステージ登場している。Salesforceでは女性の活躍にフォーカスを当てることも多く、女優から起業家に転身し大成功しているジェシカ・アルバ氏なども、対談の形でステージを飾った。

 このようなゲストは、主催者であるベンダーとの直接的な関わりやIT分野の話をするわけではない。どのように人生を歩んできたか、これまでの苦労や成功までの体験を語ることが多い。

 さて、そんな大物ゲストとして今回のIBMのInterConnectには、俳優で映画プロデューサー、そしてラッパーでもあるウィル・スミス氏が登場した。スミス氏はこれまで、SF映画をはじめ、実在するスポーツ選手など数々のヒーロー役を映画の中で演じてきた。

 ウィル・スミス氏
 「目先の四半期の成功だけでなく、人々が必要とする何かになれるか?」
ウィル・スミス氏

「ヒーローになりきるにはさまざまな準備をします。そのヒーローが実在する人物の場合には、特にたくさん学ぶ必要があります」と語るスミス氏。

 プロボクサーのモハメド・アリの半生を描いた映画『ALI アリ』の際には、実際に役作りのためにモハメド・アリ氏と数ヶ月という長い時間を一緒に過ごした。「役を演じその人になりきると、自分自身が変わることにもなります」。こうした数々の変化の上に、現在のウィル・スミス氏がいるのだ。

 もともとはラッパーとしてキャリアをスタートしたスミス氏。音楽からTVに出るようになり、そこから映画の世界に進出する。最初に音楽で成功した際に税金を払わなかったせいで、国税庁に稼いだお金を持って行かれてしまったという。「お金がなくなったからTVに出て稼ぐことは必然でした」と当時を振り返る。音楽からTVへ進出できたのは、TVでの仕事ができるのかと声がかかったから。誰かから『できるか?』と訊かれたら、断ってはいけません。小さなチャンスを逃さないことが重要です」(スミス氏)

 TVから映画の世界へ行く際には、自分の直感を信じるだけでなく、十分な調査もした。過去のトップ10ヒット作の映画を観て、中からパターンを見つけ出そうとしたのだ。その結果、トップ10のうち9本は特撮の要素が入っていた。さらに9本に動物が登場し、8本はラブストーリーだったとか。「これらはデータから分析しました。この分析は黒人版のWatsonのようなものだね(笑)」とスミス氏はおどけてみせる。

 すでに成功者として地位を築いているスミス氏だが、映画の出演依頼を待っているだけではない。たとえば、主演のアクション大作『ブライト』では動画コンテンツ配信サービスのNetflixと提携し、新しいコンテンツビジネスにも積極的に取り組む姿勢を見せている。事実、スミス氏が披露した基本の考え方はビジネスのヒントになるだろう。

「生まれ変わるのに役立ったのは、シンプルなミッションステートメントがあったことです。新しいことに取り組むことで人生が良くなるのか。それを行なうことで、何か人々の役に立てるのか。これはたんに成功することを目指すということではありません。目先の四半期の成功だけでなく、人々が必要とする何かに自分はなれるのか。それを考えたほうが良いでしょう」(スミス氏)

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弱みを見つめそこを強化する。同じところに立ち止まらない。

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

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