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FinTechの尖兵「金融API」に率先して乗り出したジャパンネット銀行


 FinTechで取り上げられているさまざまなIT技術の中でも、特に取り組みが先行して進んでいるのが、銀行の金融サービスをAPIとして公開し、外部のサービスから利用することでイノベーティブなビジネスを実現する「API連携」だ。各メガバンクが率先して取り組みを進める中、独自の戦略でAPI公開を進めるのがインターネット専業銀行のジャパンネット銀行だ。同社の担当者に、API連携に乗り出した背景や戦略などについて聞いた。

APIの海原に漕ぎ出すジャパンネット銀行

 いまやIT業界だけでなく、一般のビジネスシーンでも頻繁に耳にするようになった「FinTech(フィンテック)」。ビッグデータやAI、ブロックチェーンなど、“旬”のIT技術を使った未来の金融サービスの在り方が現在金融業界の各所で議論されており、中には既に実用化に至ったものもある。特に、最も実用に近い技術として期待を集めているのが、APIを使ったサービス連携だ。  

 これまで金融機関のシステムといえば、堅牢性やセキュリティを担保するために機能を内部に閉じて、外部との境界をがちがちに固めるイメージが強かった。しかし近年ではFintechを合言葉に、「ITによるイノベーションを起こすには、システムを閉じるのではなく、むしろ機能をAPIで外部に積極的に公開して斬新な技術やビジネスアイデアを持つ外部のサービスと連携するべき」とする金融機関が増えてきた。  

 中には、ハッカソンなどのイベントやコンテストを通じてデベロッパーからアイデアを募ったり、ベンチャー企業と共同プロジェクトを立ち上げるなど、少し前の金融ITでは考えられなかったオープンなムーブメントが各所で起こりつつある。こうした「金融API」の取り組みに早くから取り組んできた銀行の1つが、国内屈指のインターネット専業銀行、株式会社ジャパンネット銀行(以下、ジャパンネット銀行)だ。  

 個人顧客や中堅・中小規模の法人顧客を対象としたインターネットバンキングサービスで、これまで順調に口座数や決済件数を伸ばし続けてきたジャパンネット銀行だが、銀行であると同時にインターネット企業でもある同行は、APIへの取り組みも他行に先駆け積極的に進め、2017年3月にはクラウド会計ソフトを提供するfreee社とのAPI接続を開始した。freeeを利用している企業は、ジャパンネット銀行の口座番号やログインパスワードを入力することなく、freee上で同行の口座残高や取引明細などを参照できる。  

 このように、同行が外部とのAPI連携に積極的に取り組む目的や背景は一体何か。開発担当者に聞いた。

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API公開で「スクレイピング」にまつわる課題の解決を目指す

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この記事の著者

吉村 哲樹(ヨシムラ テツキ)

早稲田大学政治経済学部卒業後、メーカー系システムインテグレーターにてソフトウェア開発に従事。その後、外資系ソフトウェアベンダーでコンサルタント、IT系Webメディアで編集者を務めた後、現在はフリーライターとして活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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