ここでは何度も、クラウドの本命はSaaSだと主張している。ユーザーはクラウドを使うことが目的ではなく、便利なサービスを使いたい。もちろん、IaaSやPaaSを使って独自サービスを素早く構築する世界はたくさんある。けれども、多くの企業はすでにできあがっているSaaSの便利な仕組みがあるのならば、「作る」のではなくそれを「使いたい」はずだ。これは、手作りの独自システムからパッケージのアプリケーションに大きな投資をするようになった過去の経緯をみても明らかだろう。そして、ここにきてERPを提供するベンダーが軒並み、SaaS型のサービスに力を入れている。先日紹介したInforもクラウドのビジネスは順調に伸びている。さらにSAPもOracleもアプリケーション・パッケージのオンプレミスのビジネスは継続しているものの、マーケティング、セールス活動の中心はクラウドにシフトしているようだ。また中小企業に安価なSaaSサービスを提供しているZohoも、ビジネスは順調で元気なようだ。
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谷川 耕一(タニカワ コウイチ)
EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...
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