Tokyo Dell EMC Forum 2017開催!
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ザ・プリンスパークタワー東京 | 2017年10月26日(木)
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オブジェクトストレージの魅力
調査会社Wikibonは、「現在主流でEMCが得意にしてきたSANなど外付けのストレージの市場は今後、縮小していく」と予想している。替わってメインストリームになってくるのが、ソフトウェア・ディファインド・ストレージだ。IDCやガートナーも同様の見解だという。
サーバベースのストレージは大きく2種類ある。一つは一般的なサーバにソフトウェアを入れたサーバSANストレージで、もう一つはAmazonやGoogleなどが展開しているクラウドベースのもので、ハイパースケール サーバSANストレージと呼ばれている。今後、両方とも伸びていくと予想されている。
中村氏は「実は旧EMCの中で、Dellと合併して一番喜んでいるのは、恐らくソフトウェア・ディファインド部門ではないかと思っている」と語った。なぜなら、EMCの中では従来型ストレージと競合するため、売りづらい面があった。それが「Dellのサーバ上にソフトウェアを載せて売れます」となれば、販売網が非常に増える。「実際、Dell EMCの中で注目されていて、マイケル・デルCEOもキックオフ当時、今後、ソフトウェア・ディファインド・ストレージがDell EMCのメインストリームになっていくのではないか、と言っていたりするのです」(中村氏)。
今回のDell EMC World 2017では、ECSと呼ばれるオブジェクトストレージの次のバージョンが発表された。加えてScaleIOと呼ばれる次のバージョンと、そうしたものを組み合わせたReady Nodeのアップデートの部分が発表されている。
ECSは、データを「オブジェクト」として管理するオブジェクトストレージである。現在、情報システムのバックアップや、写真や動画、様々なセンサーから来るものなど、保存すべきデータの量が爆発的に増加している。
ところが従来のファイルを階層構造で保存するような仕組みの場合、保存されているデータを探すためには、上から順番に読んでいかなければならない。そのため一つのフォルダ、ディレクトリに保存する量は、ベストプラクティスとしての上限がある。
「オブジェクトストレージは、大きなバケツの中にどんどんデータをオブジェクトとして放り込んでいくイメージです。階層はフラットで非常に拡張性が高く、コストも下げられます」(中村氏)。
またアクセス形態はHTTP経由でWebとの相性が良く、たとえば携帯電話から直接ストレージとやり取りできる。そのためWebサーバを通す必要がなくなる。
地理的分散がフルにサポートされている一方、ユーザーはどこにアクセスするのか、まったく考えなくていいようなストレージになっている。
以上の特長を持つオブジェクトストレージ。その中でECSについて調査会社のIDCは「ECSは容易に拡張できるように設計されている。スケーラブルでグローバルに分散したグローバルアクセスと、グローバルに分散した構成でもパブリッククラウドストレージと同等の経済性を提供する」とレポートしている。
中村氏は「ECSの目標ベンチマークはAmazonのS3です。同等の経済性を提供していることが、きちんと検証で確認されています」と語る。
実際にコストを比較したところ、使用頻度が低いデータを対象とするAmazonのGlacierというサービスより、オンプレのECSは35%低コストだった。