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インフラからOracle Databaseの性能や保守性を考える

Oracle Databaseの性能や保守性を高めるには、インフラストラクチャも重要な要素となる。インフラストラクチャを最新鋭化することで得られる効果や、効果的なインフラストラクチャ選択のためのヒントをDell EMCのBart Sjerps氏が解説する。

Title:REDEFINE Oracle Infrastructure with Flash & Dell EMC-フラッシュとDell EMCでOracle インフラストラクチャを新たに定義
Speaker:Dell EMCのBart Sjerps(Principal Systems Engineer)

データベースサーバーにこそオールフラッシュ

 IOUG(Independent Oracle User Group)の調査によると、DBAの時間を消費するタスクとして「データベースのパフォーマンス問題の診断」や「バックアップ、リカバリ、レプリケーション、フェールオーバーの監督」が上位に並んだ。ムーアの法則の通りにコンピュータの性能は伸びているにもかかわらず、データベース環境が複雑化しているため性能監視と対応に手間がかかっているためだ。またデータベースシステムは年々ビジネスで重要性を高めているため保守も怠ることができない。

 Dell EMCはOracle Databaseのためのソリューションを1995年から提供してきている。信頼性や拡張性に優れたインフラストラクチャの構築、予測可能な高パフォーマンスを実現、可用性を高めるなど、多くのソリューションを持つ。Oracle Databaseに詳しいスペシャリストも多い。

 Dell EMCのPrincipal Systems Engineer、Bart Sjerps氏もそのうちの一人。同氏は「データベースにおいてI/O待ちが発生するべきではない」と指摘する。大量のデータ処理を行う場合、I/O待ちはボトルネックになりがちだ。これはストレージの問題なので「フラッシュストレージが解決します」とSjerps氏は断言する。

 ここでハードディスクドライブ(HDD)とフラッシュを比較してみよう。HDDは1956年に登場。約60年の歴史があり、広く普及している。シーケンシャルなアクセスには向いているものの、機械的な理由でレイテンシーがある。一方、2008年に登場したばかりのフラッシュは(HDDのように回転する構造ではないため)機械的なレイテンシーはなく、ランダムなアクセスにも強い。

 ランダムリードが発生する処理だと、データベースサーバーの9割もの時間がI/O待ちになり、CPUはほとんど稼働していないことがある。これをオールフラッシュに変えるとI/O待ちが激減し、CPUの使用率が倍増する。レイテンシーは全体で70%強ほど短縮できる。HDDからオールフラッシュに変えることのインパクトは大きい。

 さらにDell EMCのXtremIOであれば、インラインデータ重複排除やインラインデータ圧縮があるため平均で1/6のデータ削減が可能となる。常にシンプロビジョニングが有効であり、フラッシュに適したデータ保護機能などがある。Sjerps氏は性能を高めるには「古い慣行は忘れ、やりかたを変えていかなくてはなりません」と話す。

 これまでの慣行とは例えばディスクの過小割り当て(ショートストローキング)やストライピング、全てをプリロードすること(Sjerps氏は「モンスターキャッシュ」と呼ぶ)などが挙げられる。これらは機械的な制限があるHDDを想定したものだ。さらにさかのぼれば旧来型のRAIDやストレージの階層化などもある。性能と経済性がトレードオフになるものもあったが、オールフラッシュなら「ベストなパフォーマンスと経済性が得られます」とSjerps氏は言う。

 実際にフラッシュに移行した時にどれだけ効果が得られるかは、移行前のHDDにどのようにデータが入っているかにもよる。そこでSjerps氏は分析ツール「QDDA:Quick and Dirty Dedupe Analyzer」を自ら開発し、GitHubなどでオープンソースとして提供している。ディスク、ファイル、データストリームの重複したブロックをスキャンするLinuxツールだ。これで分析すると、XtremIOならどの程度のストレージ容量が必要になるかが分かり、効率化の予想が立てられる。

QDDA:Quick and Dirty Dedupe Analyzer
クイック&ダーティーな重複排除アナライザー

 さらなるイノベーションとしてSjerps氏はNVMeを挙げた。SSD向けに開発されたプロトコルで、SSDの特徴を生かして性能を高めることができる。徐々に新製品に搭載されてきている。

Oracle Databaseの力を最大限発揮させるために

 ここからはOracle Databaseの運用に踏み込んでいこう。まずOracle Real Application Clusters(Oracle RAC)を用いた時の可用性について。これまでのソリューションの一つにホストベースのミラーリングという手法がある。一見シンプルに見えるものの、リンク障害、I/Oのオーバーヘッド、ノード数の増加など細かいところで致命的な障害につながるリスクが潜んでいる。

 Dell EMCのソリューションはシンプルだ。ストレージの仮想化技術を用いるため、論理的には1つ。タイムアウトの調整以外はホストレベルでの変更は不要だ。複雑さが仮想化で隠されるため、複雑な構成をする必要がなく構成ミスのリスクを減らすことができる。もしストレージに障害が生じてもOracle側で何らかの対処をする必要がなく、ストレージ側で対応できるのがメリットだ。

 実際にはDell EMCのVPLEX単体またはネイティブのVMAXソリューション(VMAX SRDF Metro)で実現できる。前者はベンダー依存しないためストレージに選択肢がある。「データベースの可用性が本当に大事であれば、Oracle RACと平行して弊社のソリューションを検討することをおすすめします」とSjerps氏。

Dell EMCのソリューション
Dell EMCのソリューション

 最後に実装である。Dell EMCコンバージドシステムであれば、さまざまな実装モデルが用意されている。小さく始められて使いやすいハイパーコンバージドアプライアンス、ソフトウェアディファインドされていて大規模でTCOが最適化できるラックスケールのハイパーコンバージド、リッチなデータサービスと拡張性が可能となるコンバージドインフラなどだ。これらは事前検証から構築まで行われているため素早く導入が可能となる。Sjerps氏は「今後データベース用にチューニングされたものが追加になるため期待してほしい」と述べた。

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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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