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(第15回)  「異質なものの組み合わせ」がアイデア-では、組織での「アイデア創造」に何が必要か?

  2013/11/11 08:00

 前回までの連載では、現場で得られた「知見」を「ユーザー課題の特定」へ結びつける方法について紹介した。今回の連載では、特定した課題から解決策につながる「アイデアを生みだす方法」について取り上げる。具体的には、アイデア創造における心的態度、アイデアの定義、ブレインストーミングのルールと実践の手順だ。

アイデア創造のポイント-大量に「選択肢を増やす」フェーズと「評価する」フェーズ

 現場でユーザーに寄り添い共感し、その結果から課題も見えてくる。3つ目のステップとして行うのが、「課題解決につながるアイデアの創造」だ。世の中にはさまざまな創造技法があるが、この段階では、手法よりも「心的態度」の方が重要になる。

 スタンフォード大学のジェームズ・マーチによれば、日常業務とイノベーティブな業務の違いは「既存のアイデアを活用する」か「新しい可能性を探求するか」にある。アイデア創造が失敗する理由は「このアイデアはうまくいくだろうか?」と、間違った態度でアイデアを眺めることにある。日常業務には欠かせない視点ではあるが、イノベーションの芽はつぶれてしまう。必要なのは「うまくいくかどうかまだわからないが、このアイデアには可能性があるだろうか?」という視点だ。具体的には、以下の2つがカギになる。

  1. 「唯一解を定める」のではなく「選択肢を増やす」
     アイデア創造で賞賛に値するのは「最も選択肢を増やした人」だ。一般的に、解決策といえば「正しい答え」が想像される。しかし、誰も答えがわからないなかで価値を創造して提供するからこそ、イノベーションになる。「唯一解などない」という前提のもと、最初の段階では選択肢を増やすことだけを考えるようにしよう。
  2. 「アイデアを生みだす」フェーズと、「アイデアを評価する」フェーズをわける
     選択肢を増やすには、アイデア創造のフェーズと、生み出されたアイデアを評価するフェーズを厳密にわけなければならない。もし、1個の優れたアイデアを出そうとしている自分がいたら、赤信号だ。繰り返すが「優れたアイデア」ではなく「沢山のアイデア」が重要になる。アイデアの評価は選択肢を増やしきった後で行うことにして、10個、50個、100個とアイデアを出していこう。 

 アイデアをドンドン出すには、アイデアの特徴を掴んでおく必要がある。アイデアとは何だろうか?シンプルで有益な定義が存在する。

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著者プロフィール

  • 柏野 尊徳(カシノ タカノリ)

    岡山県出身。専門はイノベーション・プロセス。スタンフォード大学d.schoolでイノベーション手法:デザイン思考を学ぶ。同大学発行の『デザイン思考家が知っておくべき39のメソッド』監訳など、デザイン思考関連教材は公開6ヶ月でダウンロード5万件。岡山大学大学院で3年間教鞭を執った後、慶應義塾大学SFC(湘南藤沢キャンパス)を拠点にイノベーション教育の研究と実践に専念。デザイン思考を活用したワークショップ開催や企業向けの教育プログラム開発・研修を行う。一般社団法人デザイン思考研究所代表理事所長。 ・個人サイト http://kashinotakanori.com/   【一般社団法人デザイン思考研究所】 イノベーションの研究と実践を通じ、世界に向けて新たな社会の潮流を創り出すための組織。イノベーション・ツールの1つ「デザイン思考」の普及活動に取り組む。スタンフォード大学d.school発行の『デザイン思考家が知っておくべき39のメソッド』等、翻訳編集した関連教材は公開6ヶ月でダウンロード5万件超。イノベーション実践のためのワークショップ開催や、企業向けのイノベーション教育プログラムを提供。対象はベンチャー企業や上場企業、非営利法人など幅広い。10年後の社会を見据える組織と人のために、質の高い学習環境を提供することを目標とする。 【無料教材】 『デザイン思考家が知っておくべき39のメソッド』 【Facebookページ】 一般社団法人デザイン思考研究所 Facebookページ

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