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MaaSで都市は最適化される マイクロソフトが技術と人材育成で実現支援

 2019年8月27日、日本マイクロソフトはMaaS実現に向けた取り組みについて、記者向けに説明会を開催した。「MaaS(Mobility as a Service)」は自動車だけではなく、鉄道、バス、タクシー、航空、自転車などあらゆる交通事業を統合し、移動を1つのサービスとして提供する。MaaS Tech Japanの日高洋祐氏はMaaSが本格的に普及すれば「ガラケーがスマホに変わるくらいのインパクト」と話す。

世界から日本までMaaSが急成長

 移動をサービスとして提供するMaaS(Mobility as a Service)。先行事例にフィンランドの「Whim」がある。MaaS Globalが提供するスマートフォンアプリで、複数の移動手段を通常の従量制のほか、定額制でも利用できる。

 定額制の運賃プランは3つ。ヘルシンキで使える「Urban 30」プランは30日で59.70ユーロ(約6,900円)、公共交通機関乗り放題が中心。「Unlimited」プランは30日で499ユーロ(約5万8000円)、上記プランに加え、5km以内のタクシー、レンタカーやカーシェアなどが加わる。これまでユーザーは電車やレンタカーなど交通事業者ごとに支払していたところ、まとめてルート検索や予約ができて、定額制となる。利便性が増すほか、自家用車を手放す人が増えているという。この「Whim」は海外展開も進めている。

 MaaS実現には統合が鍵となる。統合にはレベルがあり、全く統合されていないレベルから、ルート検索できるように情報を統合するレベル、予約や決済を統合するレベル、サービス提供を統合するレベルがあり、さらには政策も統合していくレベルが考えられている。日本の多くの交通事業者はまだ多くが個別にサービスを提供していて、一部で情報や決済が統合しているレベルにある。先述した「Whim」はサービスの統合に進んでいる。

 政策面で見ると、フィンランドでは法整備や規制緩和を進めるなど国が後押しをしている。日本では地方自治体や企業連合が実証実験を行い、国土交通省が日本版MaaS実現に向けてモデル事業を選定するなどの取り組みを始めている。これからいろいろと形になってきそうだ。

 マイクロソフトはMaaS事業者として参入することはせず、「参入事業者へのビジネスや技術支援を通じて、MaaSの発展に貢献する」というスタンスだ。日本マイクロソフト 清水氏はMaaS参入事業者が直面する課題には技術と人材育成があると指摘する。技術面は複数サービスの連携を検討する手間やコスト、MaaSサービスを構築するためのモデルや設計手法、認証やセキュリティの対応などが挙げられる。人材面では新しいビジネスモデルを創造できる人材と、新しいテクノロジーに追従できる人材の育成が求められている。

日本マイクロソフト エンタープライズ事業本部運輸・サービス営業統括本部 インダストリーエグゼクティブ MaaS  Smart Buildingソリューション本部 専任部長 清水宏之氏
日本マイクロソフト エンタープライズ事業本部運輸・サービス営業統括本部
インダストリーエグゼクティブ MaaS Smart Buildingソリューション本部 専任部長 清水宏之氏

 これらの課題に対してマイクロソフトは、技術面ではMaaS向けリファレンスアーキテクチャ提供、人材面では新規ビジネス開発支援、技術者育成プログラム提供、エコシステム構築支援という形で支援していく。なお、MaaS領域に詳しく、情報発信やコンサルティングをしているMaaS Tech Japanと連携していく。

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この記事の著者

加山 恵美(カヤマ エミ)

EnterpriseZine/Security Online キュレーターフリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Online の取材・記事も担当しています。Webサイト:https://emiekayama.net

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