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ウェブの原理と「壁の中の庭園」― オープンデータの覇権を巡る争い

2011/04/08 07:00

王者Google に立ち向かう挑戦者Facebookという構図は非常にシンプルで、それゆえに話題になりやすい。しかしながら、両者は一方が検索エンジン、もう一方がソーシャルネットワークという、質的に全く異なる種類のサービスである。「検索」と「ソーシャル」は、本質的には競合しない。にもかかわらずGoogleとFacebookとの間で激しい競争が行われているように見えるのはなぜか。そこには、「データのあり方」を巡る根本的な対立がある。

Google VS Facebook

 ウェブは20 年の短い歴史の中で、常に変化と競争が繰り広げられてきた。過去にはNetscape とInternet Explorerを中心としたブラウザのシェア争いや、Google、Yahoo! 、Microsoftによる検索エンジンの主導権争いといった様々な競争関係があったが、2011年現在で最も注目を浴びているのはGoogleとFacebookであろう。米国においてFacebookの訪問回数や滞在時間がGoogleを上回ったという調査が出るなど、両者はウェブの新しい潮流を象徴する例として比較されることが多い。

 Googleは言わずと知れた検索エンジンの王者であり、諸外国ではもちろんのこと、日本でも2010年のYahoo!との連携によって90%近いシェアを得ている。検索連動広告を中心とする収益は四半期ベースで70 億ドルを超え、さらに増加傾向にある。

 一方、映画「ソーシャル・ネットワーク」の公開でも話題になったFacebookは、2004年のサービス開始から瞬く間に人気を集め、現在は6億人を超えるユーザーを抱える巨大ネットワークに成長した。未上場ではあるものの、2011 年初頭に行われた増資によって時価総額500億ドルの評価がつけられた。

 王者Googleに立ち向かう挑戦者Facebookという構図は非常にシンプルで、それゆえに話題になりやすい。しかしながら、両者は一方が検索エンジン、もう一方がソーシャルネットワークという、質的に全く異なる種類のサービスである。

 同業のライバル同士によるブラウザ競争や検索エンジン競争とは異なり、どちらかを選択するようなものではない。いちユーザーとしては、キーワードを入力して得られる情報も、知人を通じて得られる情報もともに重要である。GoogleもFacebookも用途に応じて利用すればよい。

 このように「検索」と「ソーシャル」は、本質的には競合しない。にもかかわらずGoogleとFacebookとの間で激しい競争が行われているように見えるのはなぜか。そこには、「データのあり方」を巡る根本的な対立があるのではないかと筆者は考える。(次ページへ続く

 

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著者プロフィール

  • 大向 一輝(オオムカイ イッキ)

    国立情報学研究所 コンテンツ科学研究系 准教授、株式会社グルコース取締役 1977年京都生まれ。同志社大学工学部卒業。総合研究大学院大学複合科学研究科博士課程修了。博士(情報学)。2005年国立情報学研究所助手、2007年同助教、2009年同准教授。2004年情報処理推進機構「未踏ソフトウェア創造...

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