”AIファースト”な会話型システムとは?
最近は日々のニュースで頻繁に見かけるAIですが、その用途は様々です。まず考えられるのが分析や予測の用途で、AIによって利用者は新たな気づきを得ることができます。例えば、商談金額は目標を達成しそうか?目標達成のための手段は?達成手段実施後の達成度予測は?といった知見が導かれます。
本稿で私が取り上げたいのは「会話型システム」で、これもAIの用途の一つです。AIを組み込むことによって、冒頭で紹介したように会話をしながら情報を探したり、会話しながらのデータを入力したりできる情報システムのことです。現時点では、チャットを介した文字による会話がAIによって実現されるケース(チャットBOTといわれる)が多いですが、今後はロボットを介した音声による会話への応用も増えていきそうです。
会話型システムとしてのAIは、企業内に様々ある旧来の情報システムの使いづらいUI(User Interface)を一新する力があります。旧来の情報システムのUIには、たとえ使いづらくなっていても今となっては改修することのできないものがたくさんあります。そんなとき、例えばチャットBOTを使って旧来の情報システムのデータの参照/登録ができるようになると、使い勝手が大きく改善することがあります。これによる効果として、利用者が情報を探す時間の短縮や、利用者が情報を入力しやすくなることが考えられます。
しかし、AIを導入してUIを変えるまでには、一筋縄では進みません。学習さえさせれば、AIは様々なことに答えてくれるようになるのではないか……というと、そうでもないのです。例えば、「この製品の在庫って、どれくらいある?」といった質問はAIには答えづらい質問です。