誤解されるAI
AIが誤解されやすい技術だと私が思い始めたのは、昨年にEnterpriseZineでAIに関する記事(参考記事:「AI(人工知能)がUIを変えるとき、企業ITアーキテクチャはどうあるべきか?」)を書いてからです。以来、様々な方とAIの話題について意見交換する機会が多くなっていて、AIに対する世間の期待感を実感しています。
しかし、期待感と同じくらいAIは誤解されていることが多いようです。鉄腕アトム、ドラえもん、ハロ(機動戦士ガンダム)といったアニメに登場するような人格を持った知能がイメージされやすいからでしょうか。
AIにまつわる代表的な誤解には、次のようなものがあります。
【誤解1】AIがあればなんでもできる!(AI夢想派の誤解)
【誤解2】 AIでビジネスを変えるなんて、所詮は無理な話。(AI懐疑派の誤解)
【誤解3】AIなんて難しいものは、とても扱えそうにない。(AI恐怖派の誤解)
AIの誤解されやすさが特に問題となるのは、自社のビジネスでAIを活用できないかと検討を進めるシーン(以降、「AI検討」と表現)です。企業の上層部から「我が社もAIを活用して何か凄いことができないか検討せよ」と指令が出るイメージです。
最近いくつかの企業のAI検討を見ていると、何か明確に解決したい課題がある能動的なAI検討よりも、世間のブームを受けて自社でも適用できないかと検討を始める受動的なものが多いようです。そして、そのような検討を始めるとき、AIに対する誤解が壁となります。
今回は、AIにまつわる代表的な3つの誤解を解きながら、AI検討の進め方を考えていきます。