シェアはアップル、ソニー、シャープの順
減少の要因としては、従来型携帯電話の出荷台数の急激な減少が継続していることに加え、アップルのiPhone出荷が277万台(前年同期比28.7%減)という低水準にとどまったことが挙げられる。消費者の関心は2017年第4四半期(10~12月)発売のiPhone Xに集まっているとみられ、それを受けて出荷の状況も前四半期以来の調整局面が継続したものと考えられる。なお、アップルの本四半期シェアは39.5%でトップであり、国内市場における強い存在感を維持している。
また、Xperia XZsに加え従来モデルも好調な出荷を記録したソニーが84万台で2位、ラインアップの整理統合により自社の強みを活かした製品作りを前面に押し出したシャープが82万台で3位となった。なお、スマートフォンのみでの集計では、docomo with対応モデルのGalaxy Feelが好調な出荷を記録したサムスンが5位に入った。
SIMフリーモデルの市場は成長が鈍化しつつある
その他、MVNO事業者向けに出荷されることの多いSIMフリーモデルは49.6万台となったが、構成比としてはスマートフォン市場全体の7.2%となり(2017年第1四半期[1~3月]は9.0%、第2四半期[4~6月]は7.8%)、後退状況が継続している。総体として、SIMフリーモデルの市場は成長が鈍化しつつあり、踊り場にさしかかっていると言える。
IDC Japan PC,携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストの菅原啓氏は、「市場の約半分を握るアップルの記念モデルiPhone Xが第4四半期に登場することから、本四半期も第2四半期同様の調整局面が続いた。他方、SIMフリーモデルの市場も停滞が認められつつあり、本四半期は各プレイヤーが年末商戦期に向けての地歩固めを行う状況にあった」とコメントしている。
同氏は続けて、「しかしながら、iPhone Xは言うまでもなく、Android系においてもVR規格のDaydream対応モデルが多く登場する第4四半期は、これから数年の技術動向を展望する上でも重要なタイミングになるとみられ、デジタルトランスフォーメーション(DX)に欠かすことのできないプラットフォームとして、スマートフォンがどのような変貌を遂げていくのかが注目される」と述べている。
今回の発表は、IDCが発行した「Worldwide Quarterly Mobile Phone Tracker」にその詳細が報告されている。IDC Trackerは、IDC独自の調査手法に基づきICT製品・サービスの市場規模・ベンダーシェアの実績や市場予測を定期的に提供するデータベース製品になる。