国内インターネット分離市場の2016年度の売上金額は33.7億円、前年度比63.6%増と大幅な伸びとなった。2015年11月に総務省が「新たな自治体情報セキュリティ対策の抜本的強化に向けて」の中で、自治体情報システム強靭性向上モデルによる庁内ネットワークの分割および適切な強靭化の実施といったインターネット分離に関するガイドラインを報告したことから、公共・公益分野において導入が急増した。
2017年度は、インターネット分離の認知度の上昇とともに、公共・公益分野での導入実績を一般企業にも広げ、幅広い業種への導入が期待されることから、同市場のCAGR(2016~2021年度)は13.6%の高い伸びを予想している。
ITRのシニア・アナリストである大杉豊氏は、「これまでネットワーク分離は金融、医療、公共などで導入が進んでいましたが、IoTの進展により工場や制御システムのセキュリティ脅威も増していることから、セキュリティ対策の一環として重要インフラを提供する企業などにおいて今後導入が進むと見ています。また、多重多層防御の必要性から、侵入されることを前提としたエンドポイントセキュリティ対策として、インテリジェンスやAI技術を活用した振る舞い検知型であるEDR(Endpoint Detection and Response)製品や、クラウドやIoTの進展によるシャドーIT対策としてCASB(Cloud Access Security Broker)の導入も急速に進むと予測しています」とコメントしている。
今回の発表は、ITRが発行する市場調査レポート「ITR Market View:エンドポイント/無害化/インターネット分離市場2017」に詳細を掲載している。レポートには、エンドポイント・マルウェア対策、仮想環境向けマルウェア対策、エンドポイント型標的型攻撃対策、EDR(Endpoint Detection and Response)、メール無害化/ファイル無害化、CASB(Cloud Access Security Broker)など全8製品分野を対象に、国内47ベンダーへの調査に基づいた2015~2016年度売上げ実績および2021年度までの売上げ予測を掲載している。