データ活用・分析の実施レベルは企業によって大きな格差が生じている
ビッグデータ/AI活用に対するニーズは、すでに一部の先進企業にとどまるものではなくなっており、とりわけ、経営陣や事業部門にとっては極めて優先度の高いテーマとなっている。しかしながら、ITRが2018年4月に従業員1,000人以上の国内企業を対象に、データ活用・分析の実施状況について調査したところ、25%の企業がマイニングや統計による探索型のデータ分析や、機械学習・AI技術を活用して推論や予測を行う高いレベルに到達している一方で、30%の企業では担当者が個別にPC上で分析を行うか、それ以前の水準にとどまっており、データ活用・分析の実施レベルは企業によって大きな格差が生じている実態が明らかになった(図1)。
各ステップで乗り越えるべき課題をデータ基盤の観点から整理
この調査では、データ活用・分析のレベルが上がらない大きな理由として、多くの企業でデータ活用基盤の近代化が十分に進んでいないという現状も浮き彫りになった。企業の情報システム部門は、データの「収集」「蓄積」「処理」「集計/検索」「機械学習」「レポーティング」といった、データ活用のライフサイクル全般にわたってビッグデータへの対応を進めることが求められており、その手段として、スケーラビリティとコストの両立という観点からクラウドベースの基盤の採用を検討すべき時期に差し掛かっている。
また、データ活用の高度化は一足飛びでなし得るものではなく、上位のレベルに達するためには乗り越えるべき課題を一歩ずつ地道にクリアすることが欠かせない。ホワイトペーパーでは、各ステップで乗り越えるべき課題をデータ基盤の観点から整理している(図2)。
情報システム部門は、現状における自社のデータ活用レベルを冷静に見極め、次のステップに進むために今行うべき施策を明確化するとともに、数年先を見据えたデータ活用基盤整備のロードマップを描くことが求められている。