法人市場はWindows XPの延長サポート終了時の成長率を上回る
法人市場では、2020年1月に予定されているWindows 7の延長サポートの終了に備えてWindows 10搭載のPCへの切り替えが加速している。
Windows XPの延長サポート終了時(サポート終了は2014年4月)にも法人市場は大きな盛り上がりをみせ、たとえば2013年第4四半期(10月~12月)は前年同期比51.1%増、出荷台数277万台、2014年第1四半期(1月~3月)では同比43.3%増、出荷台数357万台という驚異的な成長率と出荷台数を記録した。前回は、終了前後の2四半期に出荷が集中したが、今回は前回に比べると出荷の山は分散するとIDCはみている。
家庭市場では、2018年第4四半期から前年比増が続いている。2018年第1四半期から第3四半期(7月~9月)まで前年比で二桁近い落ち込みが見られたことから、2019年の家庭市場は2017年レベルまで回復しているという見方ができる。また、10月に控えた消費税増税に向けて家庭市場は好調に推移するとIDCは予測している。
法人市場は各ベンダーとも大きく伸ばしたが、日本HPとデルの勢いが突出
2019年第2四半期のカンパニー別の出荷台数上位5社は以下の通り。
レノボ/NEC/富士通グループは、グループ全体で出荷台数シェアは39.5%と首位を維持。法人市場が前年同期比58.3%増、家庭市場が同比16.8%増と好調だった。第2四半期に入り、富士通の復調が目立っている。
日本HPは、出荷台数シェアは18.8%と前四半期に続き好調を維持している。法人市場の前年同期比は94.8%増、家庭市場は同比34.6%増と上位5社の中で法人市場、家庭市場共に成長率でトップを記録した。アジアにおける日本市場へのアロケーションを優先的に行い、需要をタイムリーにとらえていると推測される。
デルも法人市場、家庭市場共に好調で、法人市場で前年同期比77.7%増、家庭市場は同比16.4%増となった。
ダイナブックは法人市場で確実に伸ばし、前年同期比45.5%増となった。上記の海外ベンダーと比較するとCPU供給不足の影響が継続している模様。家庭市場は、同比1.5%減と好調な家庭市場にあって苦戦が続いている。
アップルのシェアは5.2%と5位を維持。新モデルの発売が法人市場および家庭市場の伸びを牽引した。家庭市場は前年同期比23.6%増だった。
IDC Japan PC, 携帯端末&クライアントソリューション グループマネージャーの市川和子氏は、「2019年第2四半期の国内トラディショナルPC市場、特に法人市場の対前年比は記録に残る伸びを示した。これまでの好調は大企業の需要が主に牽引しているが、これから中堅・中小企業が本格的に動くことを考えると2019年末まで活況を呈するだろう」とコメントしている。
今回の発表はIDCが発行する「国内PC市場 2019年第2四半期の分析」にその詳細が報告され、2017年第1四半期~2019年第2四半期の国内PC市場実績値が掲載される。
この調査は、IDCが実施したPCベンダー調査、ユーザー調査、販売チャネル調査などをもとに、独自の分析を行い算出したもの。ここでいう国内のトラディショナルPC市場には、デスクトップPC、ノートブックPC、ワークステーションが含まれている(x86サーバーは含まれない)。