三井住友フィナンシャルグループ(以下、SMBCグループ)と日本総合研究所は、JSOL、Allganize Japan(以下、Allganize)と共同開発した先端自然言語処理を用いたAIシステムを、2021年上期に導入することを発表した。
SMBCグループでの利用第一弾として、SMBC日興証券および三井住友カードのコールセンターにて、顧客からの照会にオペレーターが答えるための支援に、本システムを利用するとしている。
同グループは先端技術調査を目的として米国西海岸に「シリコンバレー・デジタルイノベーションラボ」を設置しており、米国スタートアップ企業Allganizeの独自自然言語処理技術に注目していた。先端自然言語処理のデファクトスタンダードであるBERTは、従来のAIモデルと比較して学習に必要な計算量が多いことが知られており、処理装置にかかる費用も大きくなることが考えられたという。
Allganizeが本システム向けに開発した自然言語処理は、BERTの派生モデルであるALBERTと呼ばれる技術と独自の自己教師学習を組み合わせている。これにより学習に必要となる計算量や計算時間、処理装置の費用を抑制しながらも学習に関わる負荷の省力化を実現できるとしている。
SMBCグループでの実証検証においても、現行システムと比べて、学習に係る業務負荷が削減されたという。このような自然言語処理の実用化は、国内金融グループとしては初の取り組みになるとしている。
今後、本システムはコールセンターにおけるオペレーター支援業務以外にも、SMBCグループ全体に利用拡大する予定だという。
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