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AI主要8市場は2025年度1,200億円に達すると予測――ITR調査

 アイ・ティ・アール(以下、ITR)は、AI関連の主要8市場である、画像認識、音声認識、音声合成、テキスト・マイニング/ナレッジ活用、翻訳、検索・探索、時系列データ分析、機械学習プラットフォームの市場規模推移および予測を発表した。

 2020年度のAI主要8市場全体の売上金額は513億3,000万円、前年度比19.9%増と大きな伸びとなっている。コロナ禍で新規案件の獲得に苦戦するベンダーが散見された一方、在宅勤務での業務効率化やDXの取り組みを推進する企業でAIの活用が拡大したことで、躍進したベンダーも多く見られたという。各市場ともに新規参入ベンダーが増加傾向にあり、競争激化が進みつつあるが、各社とも特徴ある機能やソリューションで差別化を進めているとしている。

 AI主要8市場のなかで2020年度に売上金額を最も伸ばしたのは機械学習プラットフォーム市場で、前年度比44.0%増と躍進。参入ベンダーの増加とともに、低価格化も進んでいることから、今後も導入が拡大することが見込まれるという。同市場に次いで高い伸びを示したのは翻訳市場で、同38.0%増と、コロナ禍で海外とのやり取りの書面活用が増加したことなどを背景に、製造業を中心とした大企業での全社導入が増えたことが要因となっている。また、翻訳の製品・サービスの精度の向上にともない、これまで外部に委託していた翻訳業務の内製化の動きが見られることから、今後も継続的な伸びが予想されるという。

 本レポートで調査したAI主要8市場の合計を見ると、2020年度は各市場ともに非常に高い伸びを示しており、今後もさらなる拡大が予想されることから、AI主要8市場のCAGR(2020~2025年度)は18.7%、2025年度には1,200億円に達すると予測されている。

図.AI主要8市場規模推移および予測:分野別(2019~2025年度)
図.AI主要8市場規模推移および予測:分野別(2019~2025年度)
[画像クリックで拡大]

 ITRのシニア・アナリストである舘野真人氏は、「AI技術は今日、ビジネスに直接役立つ価値を得るための道具として位置づけられるようになっています。また、AI環境の自作を支援する機械学習プラットフォームや日常のコミュニケーションを効率化する翻訳などの市場の拡大は、AI技術が一部の技術者だけでなく、ビジネスユーザーのための道具として足場を固めていることを物語っています。今後に向けては、特定の産業や用途に特化したソリューションや、本番稼働後の性能監視や運用管理を支援するソリューションにおいて需要が拡大すると見ています」とコメントしている。

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